
割引セールをする時、デキる事業者は慎重になります。普段高いものがお買い得になるから売れるんであって、そのギャップを感じないセールは当然売れないし、それだけじゃなく下手したらプロパー(定価)で売れなくなるリスクすらあります。
下町の商店街によくある「閉店セール」のシールが貼られたブティック。あれが最悪の例。実際に売れてないですよね。
割引オファーには原則があります。正しく実行すればかなりのインパクトがありますが、ほとんどの事業者はそれを知らないので、間違ったやり方をして結果的に在庫を残します。セールで成功する人、失敗する人、一体その差はどこにあるのでしょうか?
セールとは期待する価値と実際の価値との間に正当なギャップがある時に機能する
あるハワイアンジュエリー店の話しです。その店はショッピングモール内の仮店舗にマーケティングリサーチ目的で作られました。3週間に渡り、商品トレンドやオファー、立地、セールス手法と、多岐にわたるテストを行いました。その中で面白い結果が出たのがオファーのテストです。宝石には決められた金額が付けられて売られます。一週目のテストが終わりました。その結果、
- A商品:定価¥24,000 販売個数8個
- B商品:定価¥24,000 販売個数12個
AとBは同等の商品で好みの違い程度のようです。一週目のテストではBが優れており、Aはいまいちという結果が出ました。2週目は割引のテストです。一週目の売れ行きによって割引率を変えてテストしました。
- A商品:割引後価格¥20,000 販売個数10個
- B商品:割引後価格¥22,000 販売個数20個
やはりBの方が売れるということが明らかになっただけです。三週目のテストは二週目の条件は変えずにA商品にだけ「とある」情報を付加しました。その結果は、、、
- A商品:割引後価格¥20,000 販売個数24個
- B商品:割引後価格¥22,000 販売個数19個
「とある」情報を付け足しただけでA商品が化けました。
さて問題。一体A商品にはどんな情報が付加されたのでしょうか?
、、、答え合わせです。正解は、、、理由です。
万年閉店セールのお店にはなくて、Udemyのセールプロモーションにはあるもの、、、
なぜセールをするのか、という正当な理由が正しい割引キャンペーンにはあります。コピー機を断られずに先に使わせてもらうテストという面白い話しがありまして、以下の2つの文言はどちらの方が断られずに先に使わせてもらえる確率が高いと思いますか?
パターンA:「すみません。コピー機を先に使わせてください。」
引用元:影響力の武器 ロバート・チャルディーニ著
パターンB:「すみません。急いでいるので、コピー機を先に使わせてください。」
なんとなくオチがわかっちゃうと思うんですが、パターンBの方が成約率は明らかに高かったようです。たった一文入れただけで、断られる確率が減ったようです。しかもその一文は「急いでいるから、」と、全くもって論理的じゃないのに。
これは反論処理といって前持って断られる理由を潰して、相手を導きたい方向に導くセールスのテクニックの一つです。論理的ではない理由ですら効果を発揮しますが、論理的である方が当然その効果は大きくなります。
Udemyがセールをする時、必ず理由が付いています。「サイバーマンデーセール」、「5周年記念セール」、「年度末還元セール」、、、。正当な理由がある。だからむちゃくちゃ売れる。

セールを成功させたいなら、Udemyのように必ず理由を添えなければいけません。以下の3つはベタだけど効果がある、手始めには最適なセール理由です。
・ベータ版セール
・モデルチェンジ(旧モデル廃棄)セール
・お誕生日割引
マーケティング施策で有効な手段はセールだけではありません。もしかしたら値段を引くことはあなたのビジネスにとってよくないことかもしれません。先ずはマーケティングオファーを見直すことからスタートしてみては?マーケティングオファーを知らないようであれば、以下のE-Bookが役立ちます。

マーケティングオファーの辞典
「こんなの今まで見たことない!!」
結構そう言われますよコレ。だって世界中のオファーを集めた本なんてなかったんですから。それがなんとメールアドレスを入力するだけでプレゼントとは。
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