
リスティング(検索連動型広告)のコストは数年前に比べてだいぶ上がりました。最近ではリスティングの結果を出すにはプロでないと難しいとさえ思われています。
そんなことはありません。
でも大丈夫。正しい運用知っていれば、今でも良質な媒体であることは間違いありません。ステップ・バイ・ステップで説明します。
サマリー
ステップ1:カスタマーライフサイクルを意識する

カスタマーが製品やサービスを認知してから、購入するまでには、、、
- 知る
- 関心を持つ
- 比較検討する
- 体感する
- 契約する
といったフェーズを辿ります。AIDMAが有名ですが、僕は上記をよく使います。
さて。リスティングはどこのフェーズを担うかわかりますか?ここが意識できていないと上手くいきません。リスティングが担うのは、「3.比較検討する」と「4.体感する」の部分です。
基本的な考え方ですが、リスティングは欲求の高い見込客を探して、その見込客が検索するであろうキーワードを予測し、そこに網を張ります。つまりATL(マス)のようにこちら側で製品の存在を知らせるのではなく、その製品カテゴリーに興味がある人を探すツールってわけです。
ステップ2:ペルソナをはっきりと定義する
網を張るには相手を知らないといけません。先ずはペルソナをしっかりと定義しましょう。ペルソナを知らない人は以下のE-Bookをダウンロードして、ペルソナを作成してください。

ペルソナテンプレ
ペルソナの大切さはわかってても、まともに作れたことないでしょ?今度こそ”意味のある”ペルソナを作りましょう。このワークブックがあれば間違いなし。Eメールアドレスを入力するだけで無料プレゼントしています。
ペルソナをよく理解することが重要です。実際にインタビューするぐらいまでやる勢いが大切です。
ステップ3:リスティングへの入口と出口を定義する
リスティングの設定前にペルソナの感情の遷移を設計します。
- ペルソナはどのような感情や問題を持ち、どのようなキーワードで検索しようとしているのか?
- あなたが提供するものを手に入れた時にペルソナはどんな感情を持つか?
入口と出口の感情が明確になれば、その間、つまりリスティングの設定とLPに加える要素が明確になります。
ステップ4:ランディングページ(LP)を設置する
ツーステップで売る場合はリードマグネット(無料ギフト)が欲しい人を募集するLPとなります。ワンステップで売る場合はフロントエンドのオファーです。
リードマグネットの募集はシンプルにファーストビューで見通せた方が一般的には効果を発揮します。スクロールするほどのモチベーションを持って読まないからです。
一方でフロントエンドをオファーする場合はマーケットプレイスであれば簡単ですが、売るのが大変な商品の場合はセールスレター調になると思います。商品のベネフィットや約束。自分が信頼できる人間だという証明。オファーの提示とクロージング。当然レターは長くなります。
- ヘッドラインの目的はリード文を読ませることにあります。好奇心やお得感がキーです。
- リード文の目的はブレッドを読ませることにあります。何を約束できるか?読ませるためのアイデアは何か?などです。
- ブレッドの目的は強いオファーを読ませることにあります。製品を使用して得られる体験を中心に組み立てます。
- 強いオファーとは、リードマグネットの内容や付属する特典などを言います。
CTA(バナーボタンと行動を促すコピーのパーツ)はLPに2~3つ設置します。どこいても、コンバージョンが狙えるようにすることが大切です。

画像引用元:Leadpages
URL:https://www.leadpages.net
ステップ5:キーワードのリストアップ
リスティング広告の媒体として、Google広告とYahoo!スポンサードサーチの2つがメジャーです。ターゲットとするペルソナが使うサーチエンジンの媒体を使いましょう。50代以降がペルソナであればYahooの方が良いです。意識高い系はGoogleですね。予算が10万円あるなら5万、5万で両方試す事をオススメします。

画像引用元:Googleサーチエンジン
URL:https://www.google.com/
先ずはキーワードのリストアップ。リスティングの成否はこれに掛かっています。以下の方法は基本中の基本です。
- ペルソナが使うメディアや本から拾う
- キーワードプランナーで拾う
- リアルなインタビューから拾う
- メインキーワードの同意語、同義語
- メインキーワードの入力ミスワード
ベストな選択肢は対面で話すことです。ペルソナの懐に飛び込んで、彼ら、彼女らが接するものに実際に触れてみるのもいいです。
ステップ6:リスティング広告の設定
ここではGoogle広告の旧画面(Google Adwords)で設定方法を説明します。操作方法は新Google広告やYahoo!スポンサードサーチと若干異なりますが、考え方は同じなのですぐにわかると思います。
①キャンペーンをつくる



キャンペーン→広告グループ→キーワードというレイヤー階層になっています。キャンペーンを停止すれば、その下階層である広告グループやキーワードも連動します。キャンペーンの名前は一連のオファー群のパッケージ名にしておくと管理がしやすいです。
例えば、英会話教室への入学を売るとします。リードマグネットは英単語帳としましょう。この場合のキャンペーン名は英会話関連のノウハウを売ることなので「English Speaking campaign」といった風にしておくとわかりやすいですね。
②広告グループを作る
広告グループとは検索結果で表示される実際の広告とキーワードをとりまとめたものです。
キャンペーンの中には複数の広告グループが存在します。1つの見込客グループへ訴求広告が1つの広告グループという単位です。同一キャンペーン内で訴求するターゲットが50代のサラリーマンと30代の主婦に分かれるのであれば、それは広告グループを2つに分けるべきです。
③キーワードを設定する
もしも満足なトラフィックとコンバージョンが出ないんであれば先ずここの設定を疑うべきです。キーワードの設定で重要なことは1つの広告グループで設定する複数のキーワードはそれぞれがペルソナの1つの課題に結びつかなければいけないということ。

【良い例】
1:pop 書き方
2:pop 作り方
3:pop 効果的
4:pop コンバージョンアップ
5:pop 広告文 効果的
【悪い例】
1:popとは
2:pop 書き方
3:pop 意味
4:pop 外注
5:pop かっこいい
1つの広告文に設定するキーワード数は1〜5個ぐらいが妥当です。それぞれペルソナの1つの課題をあらわすキーワードにしましょう。
もう1つ重要なことは、キーワードの検索数と検索単価です。ペルソナは解決したい何かを持って、検索窓に入力するわけですが、もしも1つのキーワードしか打ち込まない場合というのは行きたい先が既に決まっているか、弱い動機による検索なはずです。具体的な課題で、且つ強い動機を持っているペルソナはもっと具体的なキーワードを入力します。
目先お金を落とす気のないペルソナは2ステップセルであれば狙いどころです。獲得コスト(CPA)が低いからです。1ステップセルの場合はもっと具体的なキーワードで検索してくるペルソナを狙います。リスティングの設定としては、2語以上の単語で構成されたロングテールキーワードとなります。
そのキーワードが月に何回検索されているのか?ページ上部掲載には1クリックあたりいくら払う必要があるのか?検索数と単価の把握はかなり重要です。
Googleキーワードプランナーを使えば簡単に調べられます。入札のポイントは目安単価よりも低い単価でテストすることです。2ページ目上部に表示される単価設定がオススメ。1ページ目よりも2ページ目の方が成約率が上がるからです。
表示位置を決定する公式=入札単価×クリック率(厳密に言えば広告品質)
④コピーを書く

コピー(広告文)について説明します。リスティング広告のコピーの目的はランディングページへのリンクをクリックさせることです。つまり専門用語でいうと「ティーザーコピー」。メルマガで言えば「件名」。DMであれば、封筒に書く開封させるためのコピーに当たります。
どこの部分に表示されるかと言うと、設定したキーワードで検索してきた見込客に表示するサーチ結果一覧の1つです。興味を惹き、リンクをクリックさせることに注力してください。字数制限があります。広告1はヘッドライン1行目。広告2はヘッドライン2行目です。ともに30字以内。説明の中にリード文を80字以内で書きます。短い文面であなたが見込客に約束できることを伝えましょう。一瞬で見込客を惹きつけなればいけません。一般的なセールスページのヘッドラインは見込客への約束をするパターンが多いですが、考えてくれる時間はありません。
キーワードをヘッドラインやリードに含めるとコンバージョンが上がります。URLにまで含められると尚良いです。ここは難しいフェーズですので熟考しましょう。
ステップ7:運用
キーワードの調整
キーワード郡から相対的に検索回数が少ないキーワードを外しましょう。そこに新たなキーワードを設定します。新たに設定するキーワードも他で設定されているキーワードと同様に必ず同じ課題を解決するようにしてください。
コピーの調整
A/Bスプリットテストは必ず導入しましょう。2つの広告をランダムで表示し、コンバージョンが高いコピーを割り出すテストです。Google広告には標準機能として搭載しています。A/Bスプリットテストの注意点として、もう一方のコピーを変更する際は1パーツしか変えてはいけません。コンバージョン率が増減した要因がわからなくなってしまうからです。結果をどう評価するかは、母数ではなく子数で考えるようにしましょう。40コンバージョンに先に到達したコピーが勝者です。
キーワードを「ピール&スティック」する
広告パブリッシュ後、1週間くらいしたら管理ツールを覗きましょう。4〜5つのキーワードのうち表示回数がずば抜けて大きいものがあれば「ピール&スティック」の出番です。ピール&スティックは表示回数が大きいキーワードに対して、ピンポイントなコピーを表示し、コンバージョンレートを高めるリスティング戦略の一つです。表示回数が大きいキーワードを広告グループから削除して、新たな広告グループを作りましょう。キーワードの設定はそのずば抜けて大きいキーワードのみです。そのキーワードに対して、かなり具体的なコピーを書いてください。
さいごに
トラフィックソースは複数持つべきです。SEO、SNS、SEA(つまりコレ)、アナログtoデジタル、etc、、、。SEAは「お金を支払う変わりに今すぐ結果を出せるソース」に位置付きます。リスティングは今でも優れた広告媒体です。多くの人が「意味がないよ、、、」というのは使い方を間違えているからです。設定や運用を間違えたら金の無駄遣いになります。諸刃の剣はコントロールしきれれば最強の剣です。
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