
この記事はエンジニア向けに書いています。今後どうやって、自分のキャリアを築いていくべきか?について書いていきます。
サマリー
エンジニア×マーケティングスキルの差別化で年収を上げる
今の時代スマホはマストアイテムです。お財布がいらない。定期券もいらない。ビジネスアプリで電車内でも仕事できる。銀行への送金も簡単。出前を頼むのもアプリです。モバイルの市場は数年前から伸び続けています。それに伴って、Webサイトやアプリ開発案件の需要も増えているのは以下のチャートを見れば明らかです。

需要が増えれば、供給も増えるわけで開発者も自然と増えていきます。最近ではオフショアの安くて優秀なリソースやフリーランスへの発注が現実的なものになってきました。数年前はリスク係数が読みづらく、中々手が出しづらい分野ではあったものの、仕組みが整い、リスクをコントロールしやすくなりました。回転の早い事業会社は国内の開発会社に発注するよりも、安くて機動力のある海外やフリーランスのリソースを好む傾向にあります。
この状況が続けば、純粋エンジニアの状況は厳しくなるのは明らかですよね。発注単価の低下を仕事量でカバーするような力技をする人が増えてきます。エンジニアによっては効率化などの工夫で多少は楽をできても、マクロレベルの状況としてはしんどくなっていきます。
エンジニア×マーケティング=グロースハッカー
ではエンジニアから脱却して、高単価の発注が安定して入るようにする方法はあるのでしょうか?
はい。あります。マーケティングのスキルを身に付ければ、独自のポジションを築けます。スキルを2つ掛け合わせるということ。それと掛け合わせるスキルがマーケティングであることという点が重要です。
例えば、芸人になれる確率が100人に1人だったとします。1%の存在ですね。ここに家電のスキルを身に付けたとします。仮にこの家電スキルも100人に1人の存在とします。同じく1%の存在です。それぞれ1%の存在ということ自体は大したことではないですよね。割といる存在です。でもこの2つのスキルを持っていると100人×100人で10000人に1人の存在になります。掛け合わせことで簡単に特別な存在になれるんです。家電芸人がこのロジックです。
ただし、やたらめったら掛け合わせれば良いというものではありません。掛け合わせても需要が全くないスキルになってしまうと、特別な存在ではあっても、誰も欲しないでしょう。エンジニアリングと掛け合わせるべきはマーケティングなんです。シリコンバレーではこの掛け合わせスキルを持つ人が躍動しています。彼らはグロースハッカーと呼ばれています。このグロースハッカーとは一体どういったことができる人達なのでしょうか?
グロースハッカーのスキル:プロダクトマーケットフィット(PMF)への到達
顧客とプロダクトをショートカットさせる存在がグロースハッカー。顧客の要望をしっかり把握すること(そのために粘り強いコミュニケーションが取れるし、ツールを組み合わせてFBを効率的に集めるテクニックも持つ)、要件を現実的なレベルに落とし込むことや、リリースのタイミングや開発者のコントロールなど内部の管理ができることなど、顧客の要望をエンジニアリングのワークフローにさらっと流せるのがグロースハッカーです。
売れるプロダクトを短い時間や少ないお金で作るために彼らがいます。市場ニーズを汲み取ったプロダクトになっている状態をプロダクトマーケットフィット(PMF)と言います。グロースハッカーはサービスの成長にコミットしますが、中間指標としてPMFになるべく早く到達することを重要視しています。この点は開発ばかりやっていて、外に向こうとしないと中々育たないものです。

グロースハッカーの代表例がFacebookのプロダクトマーケターである、モーガン・ブラウン氏です。日本の読み物もあるので一読する価値はあるでしょう。
市場のニーズを理解する最短の方法は理想的な顧客を見つけることです。ここを理解するにはペルソナを作ることが良いトレーニングになります。興味のある方は以下のフォームからペルソナ作成のガイドブックをダウンロードして考えてみてください。

ペルソナテンプレ
ペルソナの大切さはわかってても、まともに作れたことないでしょ?今度こそ”意味のある”ペルソナを作りましょう。このワークブックがあれば間違いなし。Eメールアドレスを入力するだけで無料プレゼントしています。
グロースハッカーのスキル:本当の意味でのアジャイル開発ができるようになる
アジャイル開発はPMFに最短で到達するための経路(開発手法)です。こういうと響きは良いですが、エンジニア泣かせであることも事実。作っては壊すというプロセスが必ず発生するからです。しかし、この現実を受け入れられないと、ニーズを汲み取ったプロダクトにはなりません。請負案件をこなすだけであれば、それでも良いかもしれませんが、事業会社であれば死活問題です。PMFに到達するにはアジャイルを理解し、実行することが求められます。
マーケティング的な思考ができるようになると、本当の意味でのアジャイル開発が理解できるはずです。お客さんに粘り強く話を聞くこと、それを解釈し、開発のPDCAを回すこと、どの単位でリリースするかのタイミングなど、こういったことはマーケティングの思考があってこそでしょう。

Zapposはオンラインの靴屋さんです。「よく上手くいったね!」というビジネスモデルですが、彼らはカスタマーサポートとカスタマーサクセスにPMFを見出しました。創設者のニック・スウィンマンはECサイトを作る前に自分のアイデアを顧客に確かめたんです。2〜3店舗の靴屋で写真を取らせてもらい、その写真でモックアップのWebページとオファーを用意しました。それを顧客に見せて、買いたいと思うか、どの点を改善すべきか、貴重なフィードバックを集めたんです。この方法は時間は掛かります。それに作ったプロダクトを壊す場面もあります。リリースの単位は細かくなります。しかし上手くいっているサービスというのはこういうフローで作られているんです。
グロースハッカーのスキル:純粋マーケターよりもROASが圧倒的に高い
カスタマージャーニーマップを作って、プロダクトのマーケティング計画を立てることはROAS(広告費に対してどれだけリターンが得られたかの指標)を高めるために必要です。問題はエンジニアリングのスキルがないとマーケティングプランを考えることばかりに頭が行ってしまうことです。純粋マーケターはもっとプロダクトに目を向けるべきなんです。マーケティングプランを考えるよりもPMFに到達することを最優先にすると、実はプロダクトがもっと簡単にバイラルで広がるテコが見えたりします。

Outlookの前形であるHotmailは、プロダクトにバイラル要素を組み込んで成功した代表例です。マーケターであれば、アフィリエイトやPPC を考えがちです。でもHotmailが行ったプロモーションはメール送信文面のフッターにHotmailの広告文が挿入されるようにしただけです。ユーザー自体が広告塔になり、一気に広がりました。プロモーション費は掛かりませんし、アーリアダプターさえ掴めれば、その後の広がりに時間も掛からないでしょう。純粋マーケターには思いつきづらい発想ですよね。プロダクトを見るのはエンジニアの方が長けています。ここにマーケティング思考を掛け合わせればHotmailのようなプロモーションが思いつくようになるはずです。
マーケティングの学習方法
グロースハックの学習にあたっては海外のリソースが圧倒的に良いです。
マーケティングのスキルを掛け合わせて、自分を差別化しましょう。気になる点や不明なことがあれば、コメント欄に書いてください。
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