
この記事ではデジタルマーケティングを最も最短でマスターする全体像について書きたいと思います。始めにデジタルマーケティングの定義についてざっくりと触れたいと思います。デジタルマーケティングとは何か?マーケターの仕事とは?で書いていますが、デジタルマーケティングの定義は最近変わりつつあります。
それまでのデジタルマーケティングとは、広告やSEO、ナーチャリング、セールスの自動化(マーケティングオートメーション)、SNSのようなトレンドの媒体を使った認知拡大など、所謂デジタルを使ったマーケティング手法のことを指していて、テレマーケティングやDM、セミナーなどのオフラインの手法と区分けをしていました。でもなんで手法を分けるのでしょう。顧客属性やケースによっては、オフラインの手法の方が効果は高いのに、デジタルマーケターはその選択肢を取ってはいけないんでしょうか?ナンセンスですよね。マーケティングを効率的に行うためにテクノロジーやデジタルを効率的に駆使するのがデジタルマーケターであるべきです。
つまりデジタルマーケターとは、ITリテラシーが高く、数字にも長けており、先入観にとらわれず、結果を残すために様々な手法を駆使して、施策を実行、管理できるマーケターという定義に変わったんです。
ではデジタルマーケターになるには何を学習すればよいのでしょう?学ぶことは多岐に渡ります。
サマリー
- デジタルマーケティングに必要な学習①ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)
- デジタルマーケティングに必要な学習②リサーチ(インタビュー、ヒアリング)
- デジタルマーケティングに必要な学習③セールス・コピーライティング
- デジタルマーケティングに必要な学習④SEO
- デジタルマーケティングに必要な学習⑤リスティング広告
- デジタルマーケティングに必要な学習⑥ターゲティング広告
- デジタルマーケティングに必要な学習⑦ATL(マス)
- デジタルマーケティングに必要な学習⑧プレゼンテーション
- デジタルマーケティングに必要な学習⑨カスタマーサクセス
- デジタルマーケティングに必要な学習⑩ディレクション
- デジタルマーケティングに必要な学習⑪ITリテラシー
デジタルマーケティングに必要な学習①ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)
マーケティングの基礎はダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)にあります。DRMとは計測が可能な販売手法を指します。例えば注文フォーム付きの広告、決済ページへのリンクが付いたランディングページ、リンクが付いているメールマーケティング、オファーの付いたブログ記事、予約フォームへのQRコードが付いた美容室のチラシ、、、。例を上げればキリがないくらい古典的なマーケティング手法です。
このマーケティングは予め目標を決める→計測する→改善するというプロセスを繰り返し行います。コンテンツやクリエイティブ作りだけでなく、顧客の定義も何段階かにグループ分けし、それぞれの特徴を把握し、キャンペーンを走らせます。
とてもロジカルで科学的な手法ということがわかると思います。これをマスターするとビジネスの基礎力も上がります。先ずはここをしっかりとマスターすべきです。DRMはマーケティングの土台となり、必ず役に立ちます。
DRMについて詳しく知りたい方はブログタイトル:ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)とは何か?コストコの事例でわかりやすく理解が役に立ちます。
デジタルマーケティングに必要な学習②リサーチ(インタビュー、ヒアリング)
マーケティングリサーチはマーケターの最も重要な仕事です。マーケティングリサーチについてはブログタイトル:マーケティングリサーチの基本が参考になります。リサーチは大きく分けて2種類あります。定量型と定性型です。定量型は様々な統計データを使い大枠を把握し、手を打つために使います。ここでは数学的なセンスが必要になりますが、学者のような高い次元の数学は不要です。詳しくはブログタイトル:果たしてマーケティング志望者は高い次元の数学が必要なのか?を参考にしてみてください。問題は定性型です。定性型のリサーチには人間力が求められます。相手のことを知りたいと思う好奇心です。この感覚がないとマーケターとしては、かなり不利です。
顧客と話す時はセールスマン以上に深く顧客を知ろうとする姿勢が求められます。先ず相手に好奇心を持つこと。セールスマンは確率の中で見込み客と接するので、コミュニケーションはプロセスに過ぎません。しかしマーケターは相手に興味を持つことからスタートし、言葉の裏にあるモチベーションに敏感にならなければいけません。そのモチベーションを引き出すインタビュー、ヒアリング技術が求められます。

このスキルは1冊の本にまとめきれないくらい奥が深いものです。考えてもみてください。アナウンサーやテレビの司会と同じようにその場をコントロールしなければいけないんです。簡単なことではないですよね。上記の本はインタビュー技術の理解には最適です。
デジタルマーケティングに必要な学習③セールス・コピーライティング
製品やサービスを売る時の方法は主に2つあります。セールスマンが行うか、ランディングページ(セールスレター)が行うかの2つです。
一般的には、BtoB製品で細かい認識合わせが必要だったり、初期導入費を高く設定して、チャーンレート(解約率)を低く抑えたい場合はセールスマンが介入します。一方でBtoCで複雑な説明がいらない製品はランディングページ単体で完結します。
成約までに必要なクロージングのプロセスは人で売る場合もWebページや紙で売る場合も、あまり違いはありません。以降ではWebや紙で売る”セールスレター”について説明したいと思います。
日本には馴染みがあまりありませんが、アメリカにはセールスライターという職業があります。セールスライターの20%は年収4桁を超えて、リモートワークで優雅な生活を送ります。
アメリカでインフォマーシャルを見たことがあればわかると思いますが、アメリカのセールスの力はとても強いです。科学的なやり方を重んじていて、セールスマンの台本はセールスライターにより作られ(スクリプトと呼びます)、成約率や見込み客の反応を元にシナリオは常にブラッシュアップされます。このシナリオがあれば賃金の低いセールスマンでもそれなりの成約が見込めるようになるので、セールスライターは重宝されるわけです。
このセールスライターの本業は広告(クリエイティブ)制作です。1本で100万円をチャージするセールスライターがアメリカにはゴロゴロいます。数年前から彼らはWebの世界にも足を広げ、ブログやメルマガの執筆。ランディングページの制作まで請け負うようになりました。最近は動画コンテンツのシナリオライティングもしています。
彼らの作るクリエイティブを見れば、いかに引き込まれるか体感できると思います。彼らは製品を透明化して、見込み客の欲求とダイレクトにリンクさせることが非常に上手いんです。
実はセールスライターは望めば、誰でもなれます。ただし、料理人や建築士、芸術家、プロスポーツ選手と同様、セールスライターも職人気質の強い仕事なので、マスターするにはそれなりの時間を投資しなければいけません。
完全な技術の習得まではいかなくても、デジタルマーケターとしてセールスライティングの基礎は持っておくべきです。これについては、AWAIやcopyblogger、ダイレクト出版の書籍など、たくさんのリソースがあるので一通り読んでみるのもいいと思います。また、当サイトでもセールスライティングの無料テンプレートを用意しているので、興味のある方は以下からダウンロードしてみてください。

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デジタルマーケティングに必要な学習④SEO
SEOが全てではないですが、SEOの知識や経験があると役立つ場面は多々あります。ブログやコラムは企業サイトでは導入されているケースが多いですし、フリーランスとして独立する場合、オウンドメディアは無料で良質なリードを獲得できる良い手段です。
どのようにコンテンツを作れば検索結果の上位に表示されるのか?CTR(自サイトへの誘導)を上げるには?シェアや被リンクされるサイトになるには?このあたりは本で得た知識よりも、それを実践して、得られた経験がものを言います。
先ずはSEOの概要について学び、実際にWordPressでブログを立ち上げるのが近道だと思います。以下、参考記事です。
- ブログタイトル:なぜ米トップブロガー達はブログ記事のネタが切れないのか?
- ブログタイトル:バズりやすいブログ記事の構成?それならこのテンプレートだよ
- ブログタイトル:ブログタイトルへの正しいキーワードの含め方
- ブログタイトル:良い記事を早く書く生産性の高いブログライティングのコツ
- ブログタイトル:正しいブログ記事の配信計画
- ブログタイトル:まだSEOやってんの?上位表示のコツはユーザーファーストだよ
SEOの肝はキーワードの選び方にあります。見込み客の検索してくるであろうキーワードをリサーチし、どのように答えれば満足してもらえるか、という設計がSEOの全てと言っても過言ではありません。先ずはキーワードリサーチについて学ぶことをおすすめします。以下のE-Bookはキーワードリサーチについてわかりやすく解説しています。

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デジタルマーケティングに必要な学習⑤リスティング広告
Web広告はかなり優秀な媒体です。少ない投資金額でも結果を残せることができるからです。Web広告と呼ばれるもの(SNSは除きます)には2種類あって、検索結果に表示されるリスティング広告とサイト内に表示されるバナー型のディスプレー広告があります。リスティング広告は検索結果に表示されるので、問題を探している人に対して広告を見せることができる。つまり成約に近い見込み客に広告を訴求できる優れた媒体です。一方でディスプレー広告は属性を絞って表示させたり、何よりもビジュアルで見せれるという特徴があります。どちらかと言えば認知を広める広告です。
リスティング広告から着手することが一般的で、運用が回りだしてから、ディスプレー広告に取り掛かる人が多いと思います。リスティング広告の運用について、詳細を知りたい方はブログタイトル:Yahoo・Googleリスティング広告 費用対効果の高い運用方法が役に立ちます。
デジタルマーケティングに必要な学習⑥ターゲティング広告
ターゲティング広告とは、属性を絞って広告を見せることで、先程説明したディスプレー広告を指します。厳密に言うと、SNS広告も加えてターゲティング広告と呼びます。
特定のサイトカテゴリー、特定の人物属性、過去に閲覧したサイトなどを元に広告を表示します。成約までの距離は一般的には遠いため、投資対効果(ROI)は低くなります。ただし、ターゲティング広告は認知を広げるものであり、実はランディングページに訪れて成約した顧客はターゲティング広告により製品を知ったということが度々起きます。よって正確なROIが計測しづらいために低く思われがちということです。
学習の優先順位としてはリスティング広告の次で良いと思います。リスティング広告をマスターしてからの方がターゲティング広告は理解しやすいです。それだけ奥が深く、ITリテラシーもある程度必要です。

ターゲティング広告だけでなく、広告の全体像を理解することも個別の広告の理解には役立ちます。そういう意味では上記の本はおすすめです。
デジタルマーケティングに必要な学習⑦ATL(マス)
ATL(Above the line)の意味はダイレクトレスポンスマーケティングの対局と捉えてもらえるとわかりやすいと思います。別名マスマーケティングです。テレビ、新聞、ラジオ、プレスリリースなどを使ってマス層への認知を促すプロモーションのことです。この知識を持っていると企業マーケターとしてはアドバンテージがあります。
報道関係者に接触したり、プレスリリースを書くことは、一般的なWebマーケターには難しいことです。マーケターとして差別化したいなら、この知識・経験は持っておきたいところです。
デジタルマーケティングに必要な学習⑧プレゼンテーション
この前項でATLについて話しましたが、報道関係者に新機能を説明をしたり、ジョイントベンチャー(JV)のパートナーに、商品の特性やセールスの手法を説明したり、セミナーで登壇したり、とマーケターには1対多で話しをする機会が結構多いものです。
セールスマンのプレゼンテーションは見込み客の問題に沿う形で具体的な表現が使われますが、マーケターはもっと俯瞰した視点のプレゼンテーションになります。例えて言うなら、スティーブ・ジョブズの伝説のプレゼンテーションがそれにあたるでしょう。
そういう意味では人前でも緊張しないで話す訓練も必要でしょうし、わかりやすいスライド作りもやらなければいけません。人前で話すことに慣れていない人はブログタイトル:ビジネスプレゼンテーションで緊張を克服して堂々と振る舞う方法が役に立つでしょう。
デジタルマーケティングに必要な学習⑨カスタマーサクセス
カスタマーサクセスはサブスクリプション(定期収益)ビジネスで顧客に製品の利活用を促し、満足度を高める部隊です。チャーン(解約)やリテンション(継続)を決定する部署と言っても言い過ぎではありません。

HubSpotやMarketoなどBtoBのSaaSサービスでは特に重要視されています。上記の本はsalesforceのカスタマーサクセスの方達が書いた本でカスタマーサクセスのバイブルです。
カスタマーサクセスとマーケティングは直接は関係ないと思うかもしれませんが、顧客の悲鳴や喜びを聞く彼らとは密接に関わるべきです。その声が製品を改修する材料になったり、広告の素材になったりするからです。カスタマーサクセスがどんな目的でどういった仕事をしているのかは把握すべきでしょう。
カスタマーサクセスについて詳しく知りたい場合は、ブログタイトル:カスタマーサクセスとは何か?カスタマーサポートとの違いを見てみてください。
デジタルマーケティングに必要な学習⑩ディレクション
グループインタビューや社内の企画会議、ベンダーとの打ち合わせ、といった、まとまりをコントロールしながら仕事を進める場面はマーケターには多くあります。そこで必要なのがディレクション能力です。
特にクリエイティブ制作では品質、納期、コストを想定内に収めつつ、ベンダーや社内のモチベーションをコントロールしながら、仕事を進めなければいけません。慣れている人にはなんてことないですが、営業からコンバートした方など、戸惑ってしまう人もいるので、注意が必要です。普段から自分で仕事をせずに敢えて回りにその仕事をさせるなど、コントロールする練習を心掛けるといいでしょう。
ブログ記事を外部のライターに依頼することは良い練習になります。詳しくはブログタイトル:ブログ記事外注化マニュアル オンライン起業家のためのライターディレクション方法を参考にしてみてください。
デジタルマーケティングに必要な学習⑪ITリテラシー
デジタルマーケターはなんだかんだ言って、様々なITツールを連携させる関係上、高いITリテラシーが求められます。どの言語でもいいからプログラムを書いて、何かを作ったことがあると、それは貴重な財産になります(ついでにDBも触ってください。DBの理解は必須です)。
より詳しく知りたい方はブログタイトル:デジタルマーケターになりたい人が最低限持つべきITリテラシーを見てみてください。
実務ではCRMやメールシステム、広告ツール、分析ツール、Webサイト、決済システム、など、様々なシステムをマーケティングオートメーション(MA)ツールを使って連携します。基本的なITツールの利用に慣れていればなんてことないですが、ITリテラシーが低い人にとってはちんぷんかんぷんな仕事になるでしょう。常日頃からITツールの利用に慣れておくことが必要です。テクノロジーに敏感になりましょう。
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