
断言します。マーケターに厳密な数学の知識は不要です。
必要なのは数字を”どうやって自分のビジネスに活かすか”を考える前向きな姿勢だけ。
コレを見てください。

マーケティングとは商品やサービスに興味のある人を集めて、欲しい状態にすること。簡単に言えば人を選別する濾過システムです。そのシステムを作るにはPOS、顧客DB、Webサイトやメルマガといったデータを使うことになるんだけど、マーケターの仕事ってのはここらへんの数字を上手く扱ってシステム化することなんですよね。だから難しい数学なんてのはとりあえずはいらない。
作業的には各種数字を意味のあるデータに加工することと、加工したデータを分析して、マーケティングシステムをどんどんパワーアップさせることの2つだけ。
サマリー
必要なデータを抽出しよう
そこまで大きい商品、サービスでない限り、統計とかの所謂「数学」的な知見はひとまず不要と思っていいです。先ずは分析に必要なデータを色んなツールやキャンペーン結果から抽出・加工します。
CPA(顧客獲得コスト)を取得する
というわけでマーケティングに必要な数字を取ることをステップ1としましょう。ステップ1で取る数字は3つあればとりあえずOK。その一つ目がCPAね。
CPAとは1人の顧客を獲得するために使ったマーケティングコストのこと。計算式はコレ。

総広告費と顧客数をどう切るかによってCPAは当然変動します。キャンペーン毎に切るのか、媒体毎に切るのか、色々やってみてください。
LTV(顧客生涯価値)を取得する
2つ目。LTVです。
LTVとは簡単に言えば客単価の平均値です。

CPAと見比べてマーケティング施策の有効性をチェックしたり、商品のクオリティの指標にしたりと、日々その変動を把握すべきデータです。
CVR(成約率)を取得する
「たくさんお金を使ってくれたらこんなに良いことがありますよ〜」
と魅力的に伝えて、お客さんにステップを登らせるのがマーケターの仕事です。
ステップを登らせるには売り込みを成功させなければいけません。売り込みが成功すればコンバージョンが+1となります。
セールスマンがPCの画面内に入ってセールスできればいいですが、そうもいきません。Webマーケティングではセールスレター(コピー)で売り込みます。そのレターの売り込み能力を表す指標がCVR(成約率)です。

部分的に変えた2つのレターを用意して、CVRの対決をします。結果が良かった方を採用して、そのレターをベースにさらに別のパーツを変えて、また対決、、、のようにCVRをひたすら上げていくことをABテストと言います。
抽出したデータを分析してマーケティングに活かそう
さてさて。
今度はこれらの数字を分析してマーケティング施策に活かすフェーズです。分析方法は無数にあるんで、それを網羅する気はありません。ここで紹介する方法はたった一つだけ。これを覚えておけば間違いなくWebマーケターとして効果的なPDCAが回せるようになります。
一つ注意点があります。
マスマーケティングとかブランディングでは今から紹介する方法を適用するのは難しいです。ダイレクトレスポンスマーケティングのようにキャンペーンの良し悪しが明確でないと、上の3つの数値は取れませんからね。
ブランディングのPDCAは難しいです。近いサービス(ベンチマーク)から数字を借りて自分たちのキャンペーンに活かしたり、統計の知見を使って、市場データから法則性を見つけて適用したりと、それこそ職人の領域になります。ココこそ数学の知見が必要です。
ダイレクトレスポンスマーケティング(目標が明確なマーケティング)をする人であれば、これから紹介する公式さえ知っておけば十分現場で活躍できるはずです。
マジカルなマーケティング分析フレーム:マーケティングシグナル
さて本題。
そもそも数字を分析する理由は今よりも、もっと事業を成長させるためですよね。その方法が簡単にわかる公式があるんです。それがコレ。
デイリーのマーケティング効果性 = デイリーの新規顧客数 × フロントエンド(最初に売る)商品のCVR × LTV
この公式は日々のマーケティングキャンペーンが将来的にいくらを生むかを算出できる公式。改善するポイントと優先順位が明らかになります。
新規顧客数が足りないなら、トラフィックソースとか、広告の内容を改善すればいいし、CVRが低ければコピーをテストすればいいんです。LTVが低いなら商品に問題が有るはずです。
といった具合にあなたを最強のマーケターにするのがこの公式。
要素の内どれか一つでも0だと、結果は0です。掛け算なんでね。つまり優先順位を付けるなら、最も0に近い要素が改善した時のインパクトは大きくなります。掛け算のマジックですね。
SQLは覚えておくべき

最後に。
マーケターを目指す以上、もはや最低限のITリテラシーはマストです。プログラムをガシガシ書ける必要はありません。ですがマーケティングツール同士を連携させる時にアプリやWebの設計を若干知っていないと結構困ります。
特にDB関係の知識は絶対に持っておくべきで、DBから切り出したいデータがある時にエンジニアに抽出・加工を依頼するのは結構嫌な顔をされるのが常です。
ですので、SQLというDBを操作する構文は勉強しておいて損はないです。これが使えればエンジニアにお願いすることなく、必要なデータをDBから抽出できます。
オススメの学び方は基本情報技術者試験の教科書です。SQLのこと含めてITリテラシーの基本的な所は網羅しているんで、中々いいですよ。
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