
コンサルティングの人ってなんであんなに頭の回転が早いんでしょう。
広い領域の問題をえげつないほどの知識を使って、一瞬で解法をはじき出します。普通の人間には難しいように思いますよね?
でも実はコレ。からくりがあります。
コンサルタントは考え方のフレームワークを大量に知っていて、物事やデータをそれに当てはめることで機械的に答えを算出しているに過ぎません。
フレームワークという考え方自体は珍しいものではなく、誰しもが無意識に使っています。お医者さんが良い例です。彼らは論理というフレームワークを使って、患者の症状をヒアリングしながら、仮説の候補を消していきます。
これも当然フレームワーク。あなたもきっと自分の分野で何かしらのフレームワークを使っているはずです。
ところでマーケティングを考える時に、そういった便利なフレームはあるのでしょうか?
はい。当然ながら。
むしろあり過ぎるくらいです。
コトラーとポーターをご存知だと思いますが、あの方達のフレームワークはあまりにも有名です。
本記事ではマーケター、事業責任者、社長向けのマーケティングフレームワークを紹介します。本当に使えて、役立つもののみ厳選しています。
3C分析

記憶頼りで恐縮ですが、大前研一さんが「企業参謀」という著書の中で提唱されたフレームだった気がします(間違えていたらコメント欄でご指摘ください)。ビジネスの概要を捉えるのにはむっちゃ便利です。
ファイブフォース分析というポーターさんの経営分析フレームもありますが、アレは代入する要素が多いので全体像を捉えるのに時間がかかります。僕はコチラをオススメします。
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
代入する要素はこの3つ。市場・顧客のステータス、競合の強さ、自社のポジション。このあたりの要素を使って、そのビジネスで勝てる確率が高いかどうかをやんわりと素早く調べるのに使えるフレームワークです。細かい分析には不向きで、それをしたいなら、これから紹介する戦術的なフレームワークを使ってください。
プロダクトライフサイクル

プロダクトライフサイクル。直訳すると生命の循環。
製品やサービスが生まれてから死ぬまでの発展度合いの様は必ずS字カーブを描きますよ。ということを教えてくれるフレームワークです。
例えばソーラーパネル。
市場にはかなり昔からありました。でも屋根に付けている人は多くありませんでした。
2011年3月11日。震災が起きました。
それ以降状況は大きく変わりました。電力不足によりソーラーパネルを付ける人が増えたんです。それをビジネスチャンスと捉えた人が付随製品(湯沸かし器)を作ってパッケージ販売しました。それを気に入った人が周りの人に口コミで広めて、パネルの供給率はどんどん上がっていきました。
次第に競合が増え、パネルやソリューションの値段は下がります。そうすると消費者は安い業者から買うようになり体力のない業者は消えます。プレイヤーは減り、市場の活発さがなくなっていきます。
これがソーラーパネルの一連のプロダクトサイクルです。
- 導入期
- 成長期
- 成熟期
- 衰退期
プロダクトライフサイクルはこの4つのフェーズを抜けていきます。このフレームワークはプロダクトが市場の中で成長しているのか、衰退しているのかを把握するために使います。それによって戦い方は変わるし、そもそも参入すべきではないという判断ができるわけです。
4種類の人間
プロダクトライフサイクルを見込客の視点で見たフレームワークです。
プロダクトが最先端テクノロジーのような扱いを受けている時って価格も高いし、サポートもないし、相当なミーハーしか使わないですよね?その人達のことをイノベーターと言います。
そのプロダクトがメディアで取り上げられだすと、トレンドに敏感なアーリーアダプターがそれを使って、良さを啓蒙します。アーリーアダプターは影響力が高いので、SNSや口コミを使って一瞬でそれを広めます。するとプロダクト自体のアップデートが活発になり、サポート、価格、機能が安定し出します。
そこまでいくと大衆層に広がります。この人達をフォロワーと呼びます。フォロワーまで広がるとそのプロダクトの供給率がピークに達します。競合が増え価格が下がりだします。
価格競争時点までくると保守層がやっと手を出します。この層をラガードと呼びます。プロダクトは価格がかなり下がり、機能的なパフォーマンスもかなり安定した状態になっています。
これが4種類の人間。イメージ掴めましたか?
このフレームワークはキャンペーンを打つ時に役に立ちます。訴求すべき人が誰なのかを明確にしてくれます。
AIDA

AIDAはプロモーションのステップを表すフレームワーク。
- Attention(注意を引く)
- Interest(興味を持たせる)
- Desire(欲求を喚起する)
- Action(行動を取らせる)
頭文字をとってAIDAです。
コンバージョン(転換)を起こすための要素です。
Attention(注意を引く)からスタートするとは限りません。ジョイントベンチャーの場合はすでに興味を持っているフェーズまで進んでいることが多いので、その場合は欲求を喚起することからスタートです。
AIDAが教えてくれることは何でしょう。それはキャンペーンをどうやって作るかです。
一枚のセールスレターで売るならこの要素を全て入れないとダメです。プロダクトローンチのように小分けしたキャンペーンで仕掛けるなら、それぞれの要素毎に動画を作るケースもあります。
売る相手の状態をこのフレームワークに食わせれば、やるべきキャンペーンが導き出せる便利なフレームワークです。
マーケティングシグナル
マーケティング的に正しいことができているかどうかがわかる素晴らしいフレームワークです。名前は僕が勝手に付けました。
- 新規見込客数
- フロントエンド(最初に売る商品)のCV率
- LTV(顧客があなたに支払う総額)
この3つの指標を毎日取り続けると、あら不思議。今のビジネスの状態とこれからそれがどうなるか予測がつくようになります。
例えば。
その日の新規見込客数は102人でした。
フロントエンド商品のコンバージョン率は0.8%。
顧客一人当たり平均37,200円をあなたに支払うことがわかっています。
するとその日に獲得した見込客が、最終的にいくらあなたの財布を潤してくれるかがわかりますよね。
新規見込客数:102人×フロントエンド商品のCV率:0.8%×LTV:37,200円
=30,355円です。
面白いことは3つの指標のどれかを0にすると、結果は0になるということ。
掛け算なので、当然ながら最も低い数値を改善すれば最もインパクトが大きくなります。上記の場合はCV率でしょう。LPOをしてこれを2%にしたとします。すると、、、
新規見込客数:102人×フロントエンド商品のCV率:2.0%×LTV:37,200円
= 75,888円です。
CV率を1.2%改善するだけで結果は250%も改善しました。逆に見込客を200人しても、
新規見込客数:200人×フロントエンド商品のCV率:0.8%×LTV:37,200円
=59,520円
これっぽっちです。わかりますかね。
こんな具合にこのフレームワークを駆使すれば、マーケティングキャンペーンの良し悪しがわかり、どういった施策をすれば最もビジネスに大きいインパクトがあるかを教えてくれる魔法のフレームワークなのです。
以上。
普段仕事をしているとかなりの数のフレームワークを使っていることに気付きます。今回は特にマーケティング時に超便利なものを5つ紹介しました。特に最後の「マーケティングシグナル」フレームは無茶苦茶使えます。これらフレームワークを是非実践で役立ててください。
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