
世界的にマーケターが不足しています。
マーケティング自体は大学でも扱っている学問だし、言葉だけであれば多くの人が聞いたことある単語でしょう。
ですが実際には多くの人がその意味を理解していません。試しにあなたの奥さんにこう聞いてみてください。
「マーティングの職種に転職しようと思うんだよね」
おそらく答えはこうです。
「ふ〜ん。で?それっていくらもらえんの?」
そもそもマーケティングとは何でしょうか?
個人的には日本屈指のダイレクトマーケターである神田昌典さんの定義が一番わかりやすいと思っています。
マーケティングとはセールスマンの前に理想的な見込客を連れてくること
神田昌典
マーケティングは仕組みです。世界中の人の中から仕組みというフィルターを通してあなたの商品やサービスを求めているであろう人を選別するわけです。そしてセールスもしくはコピーでトドメを刺す。
話しは変わりますが、、、
ビジネスに必要な要素は何でしょうか?ざっくりコレです。
- 商品やサービス
- マーケティング
- セールス
- ロジスティクス(システムや物流部)
- アカウンティング(システムや経理部)
細かいことは差し置いて、この5つが揃えば取り合えずはビジネスとなります。大手企業はそれぞれに細分化された部門を持ち、枝分かれして、最終的には何百というグループが一つのミッションを目掛けて動きます。
起業家やフリーランスが一人でなんとかなっているのはWebのツールを使えば、そのほとんどをシステムで代替させられるからです。でも唯一マーケティングだけは代替できない。これはマーケターが責任を持って考えながら実行しなければ機能しないからです。
マーケティングオートメーションの仕組みは整いつつあります。でもそれはコンテンツを使った条件分岐です。コンテンツは人の手によって作られるので、そこにマーケターは必要です。
AIがどんなに進化しようとマーケティングは不滅です。きっとあなたもマーケティングの世界に足を踏み入れたいと望んでいることでしょう。
この記事ではマーケティング未経験でもマーケターとして転職するために必要なマインドセット、スキルセットを説明します。
サマリー
勝てる戦であることを確認してから戦うこと
ドナルド・トランプは優れたマーケターです。不動産王でビジネスの天才である彼の根源はブランディングとマーケティングのセンスにあります。彼は自分が有利なようにルールを変えます。卑怯ではありません。ビジネスの天才と呼ばれる人達は必ず勝てる確率の高い戦でのみ勝負し、負け戦は関わらないようにします。
あなたもマーケターを目指すなら勝てる戦にするにはどうすればいいかズル賢いくらい頭を働かせる訓練が必要です。ちなみに日本人でそれが上手いのはドワンゴの川上量生さんです。

著者:川上量生
ドワンゴの川上さんはルールを変える天才です。どんなに強い競合がいようとも彼は独自のポジションで切り崩します。
客観的なデータで判断すること
マーケターが一番言ってはいけない言葉が「肌感覚」です。
自分の考えは間違っていて、正しい答えはお客さんだけが知っています。判断する時は必ず客観的なデータから答えを導いてください。データってのは例えばカスタマーフィードバックとか、アンケート、DBなどですね。
NHKのなんちゃら白熱教室って番組があって、そこでサイコパスを取り上げた回があったんです。サイコパスと聞くとみなさんどんなイメージでしょう?
残酷?猟奇的?もはや人ではない?
まあイメージはそんな感じでしょう。でも実際の定義は違います。実はサイコパスはネガティブな言葉ではないんです。サイコパスとは、
感情に左右されずに合理的な判断ができる度合い
つまり世間体とか、欲求とか、めんどくさい横槍を一切無視して、合理的で正しい判断をし続けることができる度合いのことなんです。
サイコパスは経営者に多いみたいです。きっとシビアな判断を幾重にも求められるので合理的に判断せざるを得ないのでしょう。資質というよりかは環境がそうさせているんだと思います。
合理的に判断することが苦手な人も少なくないでしょう。特に人の目を気にしがちな人は難しいはず。でもそんな人達にも一つだけ合理的に判断できるようになる方法があります。
それは判断した理由を自分自身に必ず問うことです。感覚で判断している場合は意識的にフィルターに引っ掛けるようにして、判断し直しとすれば肌感覚は、ほぼなくせるでしょう。
合理的に判断する癖を強めるには数字を好きになるといいです。オススメはこの本。

著者:ジョン・アレン・パウロス
ロジカルに考えて伝えられること
マーケター志望に限った話しではありませんが、優秀な人は総じてロジカルです。何かを伝える時は情報が構造化されていて、いくらでも細かく説明できるけど必要な粒度でコミュニケーションすることが求められます。
ロジカルとは縦と横の繋がりをステップバイステップで伝えることです。よく言われる漏れやダブりというやつですね。
ちなみにオススメの本はマッキンゼーの方が書いた本ではありません。あれは個人的にはわかりづらい。むしろこの本を猛プッシュします。他のロジカル本は不要です。

著者:高田貴久
コミュニケーションに長けている
これもマーケターに限った話ではないんですが、
企業でマーケティングするとチームで行動することになります。
クリエイティブのディクレションや会議のファシリテーション、広告代理店との折衝、企画プレゼンなど。あなたはコミュニケーションで人を動かさないといけません。
歴史上の重要人物はプレゼンテーションの上手い人が多かったと言います。人に想いを伝えて行動させられたから、歴史を作れたとも言えるでしょう。知っての通りコミュニケーションは最強のビジネススキルです。マーケターも当然マストです。
コミュニケーション能力を伸ばす良い方法は上手い人の話し方を見て、真似てみることです。最近だとYoutuberはしゃべりの上手い方が多いので参考にすると良いと思います。ちなみに個人的に思うベストコミュニケーターはラファエルさんです。

それなりにITリテラシーが高いこと
マーケターへの入り口にはいくつか方法があります。
- 純粋なマーケター
- 営業からのコンバート
- 統計技師(データサイエンティスト)からのコンバート
- 商品企画からのコンバート
- エンジニアからのコンバート
僕の周りで比較的上手くいっているのはエンジニアや統計技師からコンバートするケースです。フィットしやすいんだとか。これはDBの扱いやマーケティングに最低限必要なプログラミング思考をすでに理解しているからだと思います。
企業マーケターはどちらかと言えばデータ分析からキャンペーン立案のように分析→実行が多いので、DBの操作に慣れている人は強いです。
一方で個人でビジネスしている場合はDBの知見はそんなにいりません。むしろ他に集中すべきことがあります。その一つが営業です。個人事業主はテクニカルは不要で、営業を理解している方が1000倍成功しやすいです。お客さんの欲求を喚起するには論理よりも感情を動かさないといけないからです。
とはいえ個人の方はマーケティングオートメーションを実装しておきたいので、やはり最低限のITリテラシーは持っておくべきでしょう。

文章を書くことが好きなこと※但しロジカルな文章ではなく
僕個人の意見ですが、マーケターはライティングに長けているべきです。日々努力してスキルを磨いているくらいが丁度いい。但しシステム仕様のようなロジカルライティングではありません。あれでは人を動かせません。ではなくコピーとかブログ、メルマガのライティングです。
セールスライティングをこれでもかってほど学びましょう。マーケターで最も必要なスキルです。セールスレターが書ければ、ブログ、メルマガ、PR記事、プレゼン資料、セールススクリプト(台本)と、全て楽勝なんで。
オススメはAWAIです。

画像引用:AWAI
URL:https://www.awai.com/
AWAIは英語ですが、翻訳してでもこの教材から学ぶべきです。他の教材を網羅しつつ、人間の心理や根源的な欲求にも言及していてマーケターに必要なスキル全てを学べます。
本を早く大量に読んで理解できること
マネジメントの立場になるとクリエイティブのレビューをする場面が増えます。これには当然自分が書ける(つまりコピーのスキルを持っている)ことが前提ですが、もう一つ持っておくべきスキルがあります。それは読解力です。マーケターの基本は文字です。文字の扱いには相当慣れておかないといけません。そういう意味で普段から必ずバックに本を入れておくマインドが必要です。
良い読み手は良い書き手です。
読解力を高めるのと同時に文字が人をどうやって動かすかも研究しましょう。ライティングの上手い人は総じてスワイプ(真似)の上手い人です。真似するにはたくさんの表現を知らないとできないですからね。
スペシャリストではなくジェネラリスト
マインドセット的な話しですが、自分が何かの専門家だと思う人はマーケターには不向きに思います。むしろそういう人はテクニカルな方に行った方が突き抜けるのではないでしょうか。
マーケターは持っている手札でどう戦うかだけではなく、手札の数を意識的に広げることも同時にやらないといけません。
自分の範囲外にも目を向けてベストな方法を考えること。例えばYoutuberとして成功してしまうと広告を打つというアイデアすら出てこないかもしれないですよね。同じようにJVで成功した人は地道なオウンドメディアなんて論外でしょう。
これでは勝てる確率が低くなります。自分から可能性を狭めてしまうようではダメですね。
以上。
マーケターに必要な最低限のマインドセットとスキルセットのお話しでした。
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