
最近よく聞くバズ。この定義はいまだに曖昧で、似たような言葉であるバイラルって言葉との境界を理解している人はあまりいません。
端的に言えば、一般消費者が商品やサービスを自ら広める行為のことです。違いはマーケティングファネルのどのフェーズで使われるかだけ。以下のファネルを見てください。

バズマーケティングはATL(後述)の手法です。上記ファネル図の一番左の赤枠がそれに当たります。一方でバイラルマーケティングとは商品やサービスで駆動される口コミのことで、バズに比べると長期的なトラフィックを起こします。上記ファネル図で言うところの上部「バイラル的要素」がそれに当たります。
この記事では主に意図的に口コミを起こすバズマーケティングの方を取り扱っていきます。バズマーケティングの法則性と実例を元に法則性を当てはめていきたいと思います。
バズマーケティングとは何か?
マーケティングには大きく分けると2つのフェーズがあって、フェーズ毎にメディアが大別されています。
- ATL(Above the line)
- BTL(Below the line)
ATLとはマス広告など商品・サービスの認知に関わるメディアを指します。一方でBTLはレスポンス系のマーケティングで使われるメディアを指し、認知させたカスタマーを成約に導くフェーズで使います。これらを組み合わせたトータルなメディアをTTL(Through the line)と言います。
ATLからBTLへの繋ぎは永遠の課題でQRコード、短縮URL、アプリ、ARなど、色々な方法が出てきました。でも事業者側が用意したそれらの仕組みは実際にはあまり使われていなく、コンテンツで使われているサービス名やキーワードなどをカスタマー自らが検索エンジンを使って検索する方法(SEA)がポビュラーです。
ATLで使われるコンテンツ(主に動画)に興味を持った人がファネルをどう動くか、追体験してみましょう。
HubSpotの例です。
HUB動画(商品やサービス、企業を認知してもらうための動画)を見た人はそのサービス名と重要なキーワードを認知します。例えば上記の動画で言えば「Inbound marketing」。
「Inboud marketing」で検索します。

検索結果の2番目にHubSpotが表示されています。HubSpotは動画からこの記事へのランディングを狙いとしているわけです。実際に遷移してみると、、、

インバウンドマーケティングに関するインフォメーショナルな記事と学習サイトへの遷移ボタン(CTA)が置かれています。
このCTAを踏むと学習ページへと遷移します。

ここで個人情報の入力を求められます。
その後はメールマーケティングでエンゲージを深めて、適宜自社サービスをオファーしてくる流れですが、そこはこのトピックでは重要じゃないんで割愛します。
何が言いたいかというと、HUB動画がバズるとそのサービス名やキーワードが認知され、それらキーワードを使って検索エンジンの方で詳細な情報を取りに行こうとする流れがあるということ。HUB動画で重要なキーワードをしっかりと印象付けられれば、こんなに多くの広がりを見せます。
再生回数の多い動画を作ればいいわけではない、というのはすでに理解していただけたと思います。”ビジネスバズ”では意味を成しません。重要なのはどうやって印象を残し、同僚や友人へ広げさせるかということと、動画内でどんなキーワードを織り交ぜるかということの2点です。
「SUCCES」の法則
コピーライティングのバイブルとして有名な「アイデアの力」(ダン・ハース、チップ・ハース著)。この本の中でコンセプト作りのフレームワークとして以下が紹介されています。
- 単純明快である(Simple)
- 意外性がある(Unexpected)
- 具体的である(Concrete)
- 信頼性がある(Credible)
- 感情に訴える(Emotional)
- 物語性(Story)
この6つは人の感情を動かす要素です。全ての要素を含められるならベストだけど、それは中々難しいので、できる限り多くの要素を含めるようにすると良いと思います。
実際にバズったコンテンツを例に出して、SUCCESフレームワークを当てはめてみましょう。
キャスティングの意外性と強いストーリー性で有名です。ストーリーと紐付いてセールスメッセージをプレゼンしてきます。HTS(どう伝えるか?)は歌だったり、動作だったりで、キーワードが頭に残るように緻密な設計がされています。
金曜ロードショーの合間によく流れるCM。JTや聖教新聞も同様で、感動のストーリーで引き込みます。家族に関することをテーマにしていて、ターゲットユーザーの中でも決裁権のある人にダイレクトに訴求します。ストーリー性、コンセプトの具体性、感動のストーリー、それらを商品に紐付けて信頼を得ています。
多額のスポンサーコストのおかげで、すごいキャスティングです。NIKEの動画は色々ありますが、ストーリーの意外性にはいつも驚かされます。上記の動画はNIKEを使うことでヒーローになっていく様を主観で体感します。ヒーローになっていく途中途中のシーンでNIKEのアイテムを登場させることにより、ヒーローとNIKEアイテムとを紐付けています。

どん兵衛のキャンペーンも斬新です。色々なコンセプト、バリエーションでどん兵衛をブランディングしていますが、いずれにしてもSUCCESの法則が働いています。
ATLではセールスメッセージを強め過ぎない
特に動画広告では、あからさまなセールスメッセージは話題性とトレードオフになるようですね。アメリカのラジオで早口で商品やサービスの紹介をするCMがありますが、これはメディアが持つトラフィックに対してクロージングを仕掛けるもので、そこから広がることはあまり考えられません。
口コミを起こすにはHubSpotの例のように、2ステップかそれ以上のステップを想定して、ファネルを作ってください。動画ではキーワードが重要になります。先ずは事前にファネルで全体像を設計してから、個々のコンテンツ作りに取り掛かりましょう。
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最後に一連のプロセスをまとめると、以下のようになります。
- ファネルを設計する
- 最終的に売り込む商品・サービスからキーワードを抽出する
- そのキーワードに関するコンテンツをWebに設置する
- 同様にそのキーワードを使って動画を作成する
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