
何かをやろうと計画したら、その成功率が気になりますよね?マーケティングリサーチはそれを教えてくれます。慣れていない人は面倒に感じるかもしれない。でもビジネスの成功を望むなら必ずやるべきことです。特にマーケターはこれを面倒くさがっているようでは失格です。
マーケティングリサーチの難しいところはいくらでも時間を掛けれるところ。あれもこれもと情報を引っ張ってきて、結局何をしているのかわかんなくなるのがよくあることです。どうすれば必要な情報を短時間で得られるのでしょう?
サマリー
マーケティングリサーチの目的は既に決まっている
よくあるマーケ本には「マーケティングリサーチはゴールを定義することから始める」なんて記述がありますが、必要ありません。もう決まっています。
成功率を上げること
これに尽きます。何の成功率を上げたいかが変わるだけでゴールとしてはこれ一択です。ビジネス全体の設計をするのか、マーケティングキャンペーンなのか、コピーを書くのか、商品を作るのか、それだけの差です。
成功率を上げるアイデア(仮説)を考える
マーケティングリサーチは時間を区切らないと際限がなくなります。効率を上げるには仮説を立てることです。情報をひたすら集めるのは最悪。このやり方でやっている人があまりにも多い。それじゃあ終わりません。
ペルソナを作る時のことをイメージしてみてください。「こういう人がお客さんとしては理想だな〜」と考えてから、顧客DBを見て最適かどうかの裏付けを取ります。仮説を考えて、それを検証する。これが正しい流れです。ちなみにペルソナの作り方に興味がある方は以下のE-Bookをどうぞ。

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アイデア(仮説)を得るのに便利なフレームワーク
アイデア(仮説)を得るのにかなり便利なフレームワークがあります。

現状と理想のギャップは現状の問題点であり、実行すべき施策です。つまりそこがアイデアです。このフレームワークを使えば最短でアイデアを取得できます。上の図ように現状を理解した上で理想的な姿を明確にイメージできれば、そのギャップを算出するのは簡単です。
マーケティングリサーチのフレームワーク
仮説検証(マーケティングリサーチ)は具体的にどうやるんでしょう?これも便利なフレームワークがあります。

「こうすればきっと上手くいく!」と考えたあなた。先ほどの現状と理想のフレームワークで言うギャップ部分を把握してアイデアが生まれました。そのアイデアが上手くいく確率が高いか調べます。これが所謂マーケティングリサーチと言われる作業にあたります。調べる時には上記画像のような3Cチャートで考えると網羅的にリサーチできます。自社の商品・サービスの強み、弱みは?それと比べて競合はどうなのか?市場のトレンドはどうなんだろう?見込み客は何を考えているんだろう?この3つを軸としてリサーチしていけば、ヌケモレは起きづらいです。
定量型と定性型
リサーチには定量型と定性型の2つのアプローチがあることはあなたも知っているはずです。定量型はリサーチ結果が数値として表れるので、善し悪しが明確。全体像の把握に利用します。一方、定性型はオープンな結果を得るリサーチです。自由回答形式のアンケートがそうです。役割は全体像を把握した後に詳細を知るのに使います。
リサーチの方法
アカデミックな定量型アプローチは正直不要。市場規模や需要予測ってのは大企業や国のマーケティングでやることでスモールビジネスにはいりません(やってもいいけどあまり意味ないです)。
スモールビジネスのマーケティングリサーチはスピードが重要です。駆動力があるのが小さい会社の利点なのにそのスピードをリサーチ如きで殺すのはナンセンス。定量型で全体像をざっくり把握し、詳細にリサーチする項目は可能な限り絞って、定性型リサーチをするという流れが理想でしょう。
プロダクトライフサイクル(PLC)
ざっくりとした数値でもいいから需要予測よりも楽に売上の規模感を把握したい。スモールビジネスの事業者は特にそうです。新サービス、水平展開、垂直展開を考える時に状況を素早く把握できたら理想ですよね。そこで使うのがプロダクトライフサイクル(PLC)。

URL:https://en.wikipedia.org/wiki/Product_life-cycle_management_(marketing)
プロダクトライフサイクルとは製品カテゴリーが誕生してから消えるまでのサイクルのことを言います。上記図のように誕生から成長、消滅まではS字カーブを描く法則性があり、この法則性を使って、成長予測、衰退予測を簡単に立てられます。プロダクトライフサイクルには4つのフェーズがあります。
- 導入期
- 成長期
- 成熟期
- 衰退期
導入期、成長期が長い商品は衰退期までの距離も長くなります。逆に爆発的にヒットする商品は消えるのも早いです(一発芸人が良い例ですね)。
自社商品・サービスを使い倒す
マーケターは誰よりも自社商品・サービスについて熟知していなければいけません。マーケティングキャンペーンは商品・サービスの質を超えることはできません。だから最低限商品・サービスの特徴、利点については誰よりも把握しておく。キャンペーン立案時にエネルギー変換のロスが生まれないようにします。最低限やることは以下の2つ。
- 特徴をリストアップする
- 特徴をベネフィット(利点)に変換する
競合との比較
商品・サービスをリストアップしたらそれをExcelにプロットします。A列を自社商品として、B列以降にシェアの高い順に競合商品もマッピングしていきます。つまり競合の商品やサービスも使い倒さないとこの表は完成しません。
ポイントは機能面、オファー面(取引条件)の2つの面で自社商材との相対的な位置関係を把握することです。
インタビューとアンケート
インタビューとアンケートは本来項目を分けた方がいいのかも知れません。ここではリアルな相手から有益な情報を引き出すという共通項があるので一緒にしました。リアルな声はビジネススキーム、マーケティング、商品・サービスをより良い方向に導いてくれる栄養素です。面倒くさがってやらない人が多いのが現状で、本当にもったいない。以下は留意点です。
- 情報を得る相手が顧客を代表(中央値)しているか慎重に検討する
- スクリプト(アンケート項目)はよく練り、効率的に必要な情報を得る
- 最初の質問は出来る限りクローズな質問(Yes or Noで回答可能)で回答の勢いを付ける
- インセンティブは付けない(ない方が回答の誠意度と回答者の質が上がる)
ターゲットの行動パターン
リサーチの永遠の課題は相手が本来持っている志向ではなく、自分をよく見せるための回答をしてしまうことです。とあるPPC広告のインサイダーがこんなことを言っていました。
「人が何を言うかは重要じゃない。どう動いているかが重要だ」
例えば、ドアを開けたら目の前に女性の幽霊がいるとします。99%の人は驚くはずです。あるトリガー(きっかけ)を与えた時の行動結果というのは最も素直にその人の志向を表します。
インタビューすることはとても重要です。ですがその人が言っていることの信憑性は疑うことです。極論行っちゃうと、インタビューよりもその人を尾行して一日の行動パターンを把握した方が信頼に足る情報となります。
例えば本屋に行ってみてください。どの情報にどんなタイプの人が群がっているかが一目でわかります。本屋は金の成る木です。1時間もぶらぶらと歩けば自分のアイデアが使えるものかどうか検証できてしまいます。
ターゲットが付き合っている人も参考になります。
自分を変える方法は3つしかない。
・住む場所を変える
・付き合う人を変える
・時間の使い方を変える
大前研一
大前研一さんの言葉でもわかる通り、付き合う人というのはその人を顕著に表します。類は友を呼ぶです。ターゲットを知りたい時は付き合っている人のタイプを知ることも役に立ちます。
デモグラフィックデータにサイコグラフィックデータを紐付ける
年齢、性別、居住地といった顧客の基本データ(デモグラフィック)に感情とか考え方といったサイコグラフィックデータを紐付けると顧客の共通項からアイデアが生まれたり、アイデアをサポートしてくれるデータが見つかったりします。CRMツールを使っていれば、このあたりの管理は簡単です。顧客IDにデモグラフィックデータとアンケート結果や商品レビューを紐付ければいいんです。
ちょっとオカルト的な話し、、、
精神論的な話しなので書くべきか悩んだけど、大事なことなんでシェアしたいと思う。
意識レベルという言葉があります。
僕の友人は電車に乗って5分もすれば半径10m以内で何が起きているかを把握してしまうと言います。僕もどちらかと言えば周りの状況を敏感に感じ取るほうだけど、せいぜい隣のカップルくらいまでです。
ある心理学者がこれを意識レベルと定義していたのを何かの本で読みました。その本によると意識レベルは集中の向きを変えることで大きさを可変できるんだとか。
マーケティングリサーチをする時に意識レベルを高く保っておけばパフォーマンスが上がるんだろうなあ、といつも思います。信じるか、信じないかはあなた次第。
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