
ダイレクトマーケティング成功の3条件。その一。顧客リストを構築する。その二。結果の出るオファー。その三。コピー。
顧客リストの構築にはそこそこ時間が必要ですがオファーの検討は今すぐにできることです。しかも手間が掛からずに。
オファーとは取引条件のことを言います。顧客がお金を支払う代わりにこちらが渡すもの。商品だけに対価を払っているケースは稀で、サポートとか、取扱説明書、ボーナス特典など、様々なものをパッケージして、提供しているのが普通です。それらがオファーです。同じ商品を売るにしてもオファーの内容一つでコンバージョンは驚くほど変わります。
オファーを作るコツは、「リスクを恐れずに思い切りよく」です。直接競合のオファーを把握しつつ、その一歩上を行くオファーを出す思い切りのよさがコンバージョンを上げます。これから紹介するオファーはどれも効果実証済みなのでスワイプファイルとして活用してみてください。。
リードジェネレーションに使えるオファー
リードジェネレーション(見込客のEメールアドレスを獲得する活動)ではリードマグネットと呼ばれる無料ギフトが一般的です。リードマグネットはどんなものでも良いというわけではありません。世の中にはゴミのようなリードマグネットが溢れています。潜在顧客はそういうものに触れすぎているのでかなり警戒している状況です。価値あるリードマグネットは「すぐに簡単に使えて、見込客の具体的な問題を解決する」ものです。これを満たさなければ考えなおした方がいいです。
テンプレート
仕様書のテンプレや契約書のテンプレなど。見込客はサーチエンジンでドキュメントの雛形となるテンプレや見本を探しています。あなたのビジネス分野で使われるドキュメントをリストアップして、見込客が喜ぶテンプレートを考えてみてください。
ツール
作業を効率的に行えるようにしたり、管理を楽にするアプリケーションのことです。アプリケーションと言っても非エンジニアでも作れるGoogleスプレッドシートやExcelのマクロ等が一般的です。例えば、ITエンジニアをターゲットとするならばプロジェクトマネジメントツールやタスク管理ツールがそれにあたります。
キット
必ずしもデザイン=信頼性と直結はしませんが、インターネットビジネスをしているのにリテラシーが低い人と思われてしまうのは悲しいことです。これでは信頼できないですよね。そこでクールなWebサイトが作れるようにロゴのテンプレートやアイコン集のようなデザインキットを用意することで、非デザイナーを集めることができます。これがキットの例。まあテンプレートに近いですね。
業界レポート
社内レポートはリードマグネットにはなりませんが、業界レポートはリードマグネットに最適な強いオファーです。例えば、コンサルや新規参入の起業家、就職活動生、転職活動生を捕まえるのには、もってこいのコンテンツです。
具体的な問題を解決するE-Book
1つのトピックにフォーカスしたE-Bookもオススメです。ページ数は12〜24ページ程度。ビジュアルを多く使いましょう。1つのE-Bookで複数の問題を取り上げるのはNGです。
人間の心理として、無料で提供する情報は、誰でもリーチできるため価値を低く見積もります。だから学ぶモチベーションが生まれづらい。見込客がすぐに使えて、負荷にならず、すぐに問題を解決するものである必要があります。
具体的な問題を解決するミニコース(動画)
E-Bookの動画版です。動画は作るのは簡単だし、コンテンツとしても優れています。ホスティング先をYoutubeにすればマルチチャネルで集客できますし、Vimeoで限定公開にすれば、価値があるものというポジションにもできます。
専門家による対談音声や資料
ビジネスのカテゴリーによっては専門家との対談音声や資料は強力な撒き餌となります。むしろ商品として売るのもありかもしれません。
リソースライブラリー
テンプレートやツール、キット、レポート、各種E-Bookやミニコース、専門家との対談音声や資料をパッケージにして、ログインした人のみ見れるライブラリー化します。「メールアドレスをいただければライブラリーへのアクセス情報を渡します。」とすることで、見込客は必要な時にいつでもライブラリーにアクセスしてくるわけです。これが強力に作用するには2つの理由があります。1つはメールアドレスをもらえるのでメールマーケティングが展開できること。2つ目は定期的にライブラリー(自社サイト)へのアクセスが期待できること。特に2つ目についてはアップセルの期待が大きくなります。
ウェビナー
海外のコンテンツマーケターはリードマグネットとしてよく使っています。リアルタイム性と双方向型コミュニケーションにより、すぐに解決したい問題を抱えた、濃い見込客を集められます。
期間限定無料試用
SaaS系のWebサービスや会員型ビジネスでよく使われているオファーです。製品が良ければ、一気にフロントエンド商品の購入まで連れていけます。
フロントエンド商品の期間限定無料(配送料のみ)
国内の某出版社が使っているワンステップセルのオファーです。2000円程度の書籍を無料でプレゼントという内容なんですが、注文ページになると配送料だけ払えってオチがあります。かなりのお買い得感で財布を開かせます。僅かな料金でも財布を開かせることが重要で、カスタマーステータスを「見込客」から「顧客」にアップデートさせます。この重要性がわからない場合はダイレクトレスポンスマーケティングを学びましょう。
無料Web診断
顧客の課題を明らかにするWebツールなどのこと。人的リソースが絡まないものを指しています。例えば、HubSpot社はEメールアドレスと引き換えにWebサイトの品質を検査してくれるツールを提供しています。
無料相談
士業やクリニックといった、かなり狭いスコープの深い問題を解決する専門家にとって有効なオファーです。逆に経営コンサルのような広いスコープの問題を解決する専門家には向いていません。なぜかというと、人的リソースを食うからです。相談プロセスの効率化が必要ですが、広いスコープでは効率化が難しいです。
製品デモ
BtoB向けソフトウェアやソリューションでよく使われるリードマグネットです。製品を使ったプレゼンテーションですね。
提案書
こちらもBtoBで使われるオファー。受託ビジネスをしている企業向けのものです。課題のヒヤリングが必要なことと、one-offになりがちなのでかなり人的リソースを食います。
専門家コミュニティへの招待
人間は元来、グループへの帰属欲求を持っています。その心理を刺激するオファーがこれ。すごく簡単にできることとしてはメルマガに名前を付けることです。専門家が集まるグループとして、そこへの入会をオファーします。ただのメルマガではリスト構築が難しいですが、専門家コミュニティにすればリードマグネットなしでもメールアドレスが結構集まります。
エクスキューズ付き告知
お金を出してでも欲しい無料ギフト(フロントエンド商品レベル)を企画していることを告知し、「無料で欲しいモニターを募集します」というコピーを使って、メールアドレスを得るオファーです。「規定人数に達しない場合、無料ギフトは作りませんのでご了承下さい。」という注意書きを付記すれば、トラブルを防げます。効率的なリードジェネレーションオファーです。

マーケティングオファーの辞典
「こんなの今まで見たことない!!」
結構そう言われますよコレ。だって世界中のオファーを集めた本なんてなかったんですから。それがなんとメールアドレスを入力するだけでプレゼントとは。
基本オファー
セールス時の基本オファーを紹介します。
現金割引
現金で支払えば、値段を安くするというオファー。
早期注文者割引
リリース後、購入検討時間を減らす施策。早期注文にインセンティブを付けるオファー。イベントでよく使われています。
理由付き割引
シーズンや記念日といった理由を付けて商品を値引きするオファー。Udemyがこれを毎日のようにやっています。理由は真実味がなければいけません。そうすることで通常料金時も販売しやすくなります。シンプルなオファーですが、とても強力ですよ。
グループ割引
企業や学校など、まとまった1グループで商品を購入してくれる場合に割引をするオファー。ソフトウェアのライセンスでよく使われています。
ボリュームディスカウント
大量に購入した顧客に対して、特別価格で商品を提供するオファー。
間引きセール
オンラインショップで使われるプロモーション手法。一部の商品をセールにし、それをグリッドレイアウトなどでちりばめて見せることで、あら不思議。見込客から見れば、すべての商品がお買い得と思ってしまうんです。
継続課金(サブスクリプション)
定期的な課金でサービスを提供するオファー。端的に言うと会員型ビジネスです。毎月もしくは毎年の課金が一般的。一括買い切り商品に比べ、キャッシュフローが安定しやすい強力なオファーです。サブスクリプションには大きく分けると以下の2種類があります。
①ポジティブオプション
買い手が自由に商品を選べるタイプのサブスクリプションモデル。
②ネガティブオプション
売り手が商品を選択し、発送するサブスクリプションモデル。買い手がキャンセルするまでは継続して商品を発送するので、一歩間違えるとトラブルになります。取扱いには注意しましょう。
強制継続課金(フォースドコンティニュイティー)
サブスクリプションへの入り口を無料にし、◯ヶ月目から強制的に課金が開始されるとするモデル。成約が難しいサービスのコンバージョンを上げる画期的な手法ですが、カスタマーサポートのコストは膨らみがちです。ケータイ販売業者や米国のクラブビジネスではよく使われています。
希望期間継続課金
継続課金モデルですが、契約期間は買い手が自由に決められる契約です。消耗品や雑誌購読で使われています。
クローズドエンドサブスクリプション
継続回数が決定しているサブスクリプションモデル。デアゴスティーニのようなコレクション商品で使われています。顧客のモチベーションを保ちやすく課金を継続させやすいオファーです。
年間契約と月間契約
継続課金の中でも2つの期間を選択できるオファー。月間と年間契約の2つを提案するのが一般的。売り手としては年間契約の方が期末の売上をフィックスさせやすくベストです。月の契約よりも年間契約に持っていきたいので、年間契約を20%程度割り引くのが一般的です。初期表示を年間契約金額にしておいて、「月間契約はこちら」というラジオボタンでプライスを切り替えて表示する方が良いと思います。海外のSaaS系Webサービスでは定番のオファーです。
フリーミアム
Webサービスやモバイルアプリでよく使われるオファー。基本プランを無料で提供し、よりリッチな機能を使いたい場合は、課金してくださいというモデル。大多数の無料プラン利用者の内5%前後が課金ユーザに流れれば黒字というプライシングと事業計画が必要です。緻密な戦略がないとコケる難しいオファーです。
返金保証(リスクリバーサル)
見込客の購入リスクがなくなるため、手っ取り早くコンバージョンが上がります。保証期間は30日〜180日程度が一般的。返金申込み時に理由が聞けるとベストですが、理由不問にした方がコンバージョンは上がります。
分割決済
分割決済を導入することにより、価格プレゼン時の離脱を防ぎます。導入している決済システムが分割決済に対応していれば、すぐに導入できるはずです。
初回購入割引
フロントエンドを買わせる1回限りの割引。美容室でお馴染み。
バンドル販売
複数の商品をひとまとめにして特別価格で販売するオファー。オーディオブックをはじめ、情報ビジネスではよく使われる手法です。
おとりプライス
例えば、ABCタイトルという書籍を1900円で売るとします。2つ目のオファーとして、ABCタイトルの電子書籍版も売るとします。こちらを1800円で売ります。3つ目のオファーはABCタイトルの書籍+電子書籍のセットです。これを2000円で売ります。多くの人が3つ目のオファーで成約します。これが意図的に決済させたいオファーに落とす、おとりプライスです。
トレード・イン
過去の製品をお持ちの場合、特別価格でアップグレード版を提供するというオファー。下取りのことですね。
アップセル
フロントエンド購入画面でそのフロントエンドの上位商品を提案するオファー。LTV(顧客が生涯に渡ってあなたに支払う総額)を高める有効な手段です。
クロスセル
オンラインショップなどで、ショッピングカートを利用して行うオファーです。商品選定画面やカート内確認画面にて関連商品を提案します。Amazonの成長を支えたのはこれです。
ワンタイムオファー
商品購入後に1回限り表示されるページでアップセルやクロスセルを提案します。専用のシステムが必要となりますが、導入すれば一気にLTVが上がります。
購入者ボーナス
商品購入者へのプレゼントのこと。
無料ギフト
メインの商品を補完するサブ商品や関連する商品、ギフトを特典として付けるオファー。ジャパネットた◯たがよくやっているアレ。
ミステリーボーナス
商品を購入した際にどのようなボーナスがつくか内容を明かさないオファー。ペットボトルに付くボトルキャップがわかりやすい例です。収集欲求を刺激する良いオファーです。
発送サービス
オンラインでお祝いの品を売っているショッピングサイトなんかがよくやってますね。ラッピングして、メッセージを付けて、発送するようなサービスです。
特急配送サービス
購入商品を特急便で配送するサービス。Amazonプライムがそうです。
慈善協賛
買った金額の一部を国や団体へ寄付するというオファー。社会的地位の高い企業が社会活動の1つとしてこのような取り組みをしています。困っている人を助けたいという気持ちに訴えるオファーです。
期限明記
特典や割引の有効期限を明記することにより、顧客の意思決定を促すオファーです。どのような商品を売るにしても期限を設けた方がベターです。なぜなら売上が上がるタイミングはリリース直後と締め切り間近だからです。
限定
「限定」を明示するオファー。これも期限と一緒でマーケター自らが数を絞るべきです。どのような商品でも数を絞ることにより、プレミアム感が出ます。その際に重要なのは正当な理由です。なぜその商品の数が限られているのか伝えなければいけません。
特別価格試供品
商品を試供品として僅かなチャージだけで提供すること。一般的には1回限りです。無料ギフトとしてではなく、僅かに支払ってもらうことがポイント。見込客に財布を開かせることで、属性を顧客にすることが狙いです。健康食品や化粧品を通信販売で売る際によく使われています。
ドラマティック・オファー
セールスレターの印象を残す目的でオファーを敢えて印象的にします。例えばこんな感じ。「私どものダイエットプログラムが気に入らなければ、書籍をビリビリに破いていただき、ジップロックに入れて着払いでご返送ください。商品代とジップロック代をあなたの口座にすぐに振込みます。」日本では馴染みがないですが、アメリカではよくあるオファーです。
友人紹介
知人を紹介してくれた顧客には無料のギフトを与えるというオファー。質の良い見込客を集めることができて、顧客リストの構築に有効な手段です。
再販待ち
売り切れた時に専用ページを用意し、次回リリース時に通知を受け取りたい人を募集するオファー。そのリストにステップメールやプロダクトローンチを仕掛ければ高い成約率が期待できます。
ライフタイムアクセス
会員ビジネスなどでサービスが続く限り永遠にアクセスできることを明示するオファーです。当たり前のことなんですが、物は言いようとはこのことを言います。シリコンバレーのスタートアップがこのオファーをよく使っています。
特殊オファー
直接競合と同じようなオファーだと良い結果は期待できないです。そういった時は大胆な追加オファーが必要です。基本オファーの中に入れるスパイスがこれです。
お客様の声をくれたら全額返金
お客様の声をくれたら全額返金するオファーです。これを使えば、お客様の声が簡単に集まります。起業間もない時にオススメです。
自由支払い
これは超特殊なオファーで、数年前に人気料理店が実際にやっていました。食べた料理に対してお客が支払額を決めるというものです。商品に自信があれば効果的、、、かも?
競合品下取り
競合商品を下取りして、自社商品を特別価格で販売するオファー。昔ダイナーズクラブがこのオファーで大成功しました。現在はケータイ販売会社が乗り換え割引という名目でやっています。一歩間違えれば訴えられるかもしれませんが、当社は責任を負いかねますので自己責任でどうぞ。
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