
僕はマーケター。「その商品欲しい!」と思わせるための仕組みを作る人です。「集客のいらない~」なんてタイトルを付けたけど、勘違いされそうだから初めに言っておく。この記事はマーケティングに関することだ。特に美容室向けのソリューションを提供しようと考えている。お客を呼び込んで離さない仕組みの作り方ね。どういったマーケティングの仕組みを美容室に入れれば、そんなことが実現できるんだろう。この記事ではその仕組みの作り方について話していく。
アウトラインはこうです。
- マーケティングファネルを設計する
- 離脱しやすい穴を塞ぐ
- 各ファネルの在籍数とステージ移動数を計測する
- ファネルにトラフィックを流す
- ボトルネックを改善する
一つずついきましょう。
マーケティングファネルを設計する
マーケティングファネルという言葉を聞いたことがありますか?漏斗状になった図です(下記参照)。ファネルはマーケティングの設計図になります。

流入口は広く、先細りしていく様はカスタマーのライフサイクルを表しています。広告を打ってサイトに流入してもらい、Eメールアドレスと引き換えにクーポンを発行するのを1stステージだとします。次のステージは来店。ここまででサイト流入者の内の大半は離脱します。F2(初回リピート)になるとさらに減り、F3以降(複数回リピート)となると僅か数%しか残りません。
なぜマーケティングファネルを考えた方が良いのか?それはステージ毎に効果測定すればボトルネックをすぐに把握できるからです。最適な打ち手を早く実行に移せることは最大の利点でしょう。
もしもあなたがまだマーケティングファネルを考えていないなら、考えることから始めましょう。以下のファネルテンプレートをダウンロードしてファネルを作ってみてください。

ファネル設計してないの、、、?
マーケティングの全体像を設計していないのに個々のキャンペーンを走らせるのはやめてください。設計図(ファネル)を入手して今すぐ全体像を作り上げましょう。メールアドレスを入力するだけで無料で手に入ります。
ステージの定義に特に決まりはありません。4つか5つに区切るのが一般的です。ステージ切り替えの基準が明確であることが重要です。
悪い例:確度が低いお客様>確度が中のお客様>確度が高いお客様
良い例:初回クーポン受領者>初回契約者>顧客(リピートを一度でもした)>ヘビーユーザー(何度もリピート経験がある)
ちなみに僕は以下のように分けます。
- リード(Eメールアドレスをもらった見込み客)
- F1バイヤー(フロントエンド商品の購入者)
- F2バイヤー(バックエンド商品の購入者)
- アドボケイト(複数回のリピーター)
細かくステージ分けすると管理コストが高く付くので、適度な大きさでステージを定義してください。シンプルな方が良いです。
離脱しやすい穴を塞ぐ
ファネルを作ったら、今度は各ステージでお客さんが漏れそうな穴を予想して塞ぎます。やることはお客さんと良質なコミュニケーションを取ること。ただコミュニケーションを取ればいいんじゃなく、出来る限りパーソナライズしたやりとりをしたいんです。
マーケティング的にはこれをナーチャリングと言います。ファネルから離脱したカスタマーをファネルに戻したり、次のステージに進ませるきっかけを作ったりするのが役目。ナーチャリングについて詳しく知りたい方は[リードナーチャリングとは何か?見込客を顧客化するシナリオ]記事を参照してください。
ナーチャリングの実現にはメールマーケティングツールがマストです。例えば Mailchimpは使いやすくておすすめ。このツールはメールをリストに対して一斉送信するだけじゃなく、リストの属性によってメールをパーソナライズして送ることができたり、オートメーションと言って、ある出来事が起きたらこのメールを送るみたいなこともできます。ちなみにこれらを総じてマーケティングオートメーション(MA)と言います。
とりあえずこの時点では「たぶんこうした方が良いだろう」程度の仮説でいいので、どこでカスタマーと接点を作るのか、どの接点が重要かを考えながらメールを作ってみてください。実際にトラフィックがファネルを流れ出してからでないと正しい答えなんてわからないんで、この時点では仮説でOKです。
経験上、以下のことは真っ先にやることをおすすめします。
- 予約完了のお礼メールをリッチに作る
- 初回来店後のお礼メールをリッチに作る
- 誕生日の情報を取れるなら、誕生日におめでとうメールをする
- ブログをやっているなら週に一度程度の間隔でブログ更新通知を発行する
お客さんがこうしたら喜ぶだろうなってのをイメージするのがコツです。食品ECのオイシックスはナーチャリングがむちゃくちゃ上手い。実際に商品を買って、どういうやり方をしているのか体感してみてください。
各ファネルの在籍数とステージ移動数を計測する
正しい行いと、悪い行いとを判断するにはステージを分けて定義すること(つまりファネル)と、ステージ毎の良し悪しを判断する指標(KPI)を決めることが必要です。ファネルの各ステージの良し悪しを判断するために以下の2つの指標を追います。
- ファネル毎の在籍数(リスト数)
- ステージの移動数(コンバージョン率)
このくらいシンプルに管理すればボトルネックの大枠はすぐに掴めます。
メールマーケティングツールを導入していれば、このあたりを計測する機能も付いているので難しいことは何もありません。カスタマーをファネルのステージ毎にグループ管理でき、そこにWebサイトでの閲覧履歴等、様々な情報を付加できます。
手動でカスタマーのステージを変えるのはナンセンス。zapierのようなオートメーションツールを導入することで自動化できます。メールマーケティングツールの顧客管理機能(CRM)+zapierで簡易的なマーケティングオートメーションの実装にチャレンジしてみてください。
ファネルにトラフィックを流す
ここまででマーケティングの設計はできあがったんで、ファネルにトラフィック(アクセス)を流していきます。Web広告の出番です。
Web広告の種類にはリスティング(検索連動型)、アフィリエイト、ディスプレイ(バナー型)、SNS(ネイティブ型)の4つがありますが、リスティングが最優先タスクです。他の広告にトライするにもリスティングから入って広告の基礎を身に付けるべきだし、リスティングやるだけで手一杯になるので他の広告をやる余裕はないはずです。
ここでは広告の詳細な説明はしないんで、気になる人は[Yahoo・Googleリスティング広告 費用対効果の高い運用方法]記事を参考にしてください。
ちなみに無料でトラフィックを得る方法もあります。それがコンテンツマーケティングです。カスタマーに役立つブログ記事とか動画、ポッドキャストを提供することでトラフィックを得ます。詳細を知りたい方は[コンテンツマーケティングとは何か?ブログとの関係や事例で理解する]記事を参照してください。
ボトルネックを改善する
トラフィックが流れ出したら、少しづつ何かしらの反応が見えてくると思います。ここでやっとファネルの問題点が明らかになります。1週間に一度はメールマーケティングツールのCRMを覗いて状況を確認しましょう。各ステージの在籍数とステージ移動数の推移を見て、パターンから乖離している指標があった場合は要注意です。そこがボトルネックになっている可能性があるので調査してみましょう。
ここまで実装できたあなたは、、、
ここまで実装できる人は多分全体の内の3%程度かと思います。この仕組みが上手く回りだすと、トラフィックが良質なリードに変わって、リードが自動でリピーター化していきます。集客のことはもはや考えなくても事業が回り出すので、あなたは髪を切ることに集中すればいいんです。理想的な世界ですよね。
実装には根気がいるでしょう。ITリテラシーに自信のない人はつまずくポイントがいくつかあると思います。頑張ってください。
その先のこととして、アップセル、クロスセルといったマーケティングオファーについて学んでおくと客単価の増やし方がわかってくると思います。興味のある方は以下「マーケティングオファー辞典」のE-Bookをダウンロードしてみてください。

マーケティングオファーの辞典
「こんなの今まで見たことない!!」
結構そう言われますよコレ。だって世界中のオファーを集めた本なんてなかったんですから。それがなんとメールアドレスを入力するだけでプレゼントとは。
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