
ホテルや旅館の集客にイメージコピーを使ったり、じゃ○んのようなマーケットプレイス型広告で近隣の競合と代わり映えしない広告を使ったり、と敢えて結果の出ない方法を取っていませんか?
この方法は最も現実的に結果を出すダイレクトレスポンスマーケティングと呼ばれる手法です。まずはファネルを考えます。
ファネルは日本語で漏斗(じょうご)。入り口が広くて、出口が狭い。これはマーケティングを設計する際に便利な考え方のフレームワークです。
ファネルに流入するお客さんを一層一層フィルターで振るいにかけていきます。少なく絞った顧客属性を満足させれば再販が期待できます。お客さん全員にゆるいサービスを提供するのではなく、特定の顧客属性を120%満足させる。このような先細りする出口戦略のことをダイレクトレスポンスマーケティングと言います。お客さんの反応を元に次の打ち手を変えて、ひたすらファネルの下階層へ進めます。

フェーズ①気付き
どこに広告を出すか?という話し。旅行系マーケットプレイス?リスティング??FB広告???正直どれも良いし、頑張ればそれなりに結果は出ると思う。ただし、運用にはどれもテクニックがいる。ノウハウがないままやれば失敗します。そこでおすすめはアフィリエイト。旅行系の記事を書いているブロガーはわんさかいます。彼らはかなり安い媒体量で広告掲載を受けてくれます。
フェーズ②関心
商品やサービスを検討してもらうには関心を寄せてもらわないといけません。例えば、プレゼントです。返報性は人間の脳が持つメカニズムです。人はプレゼントを受け取ると、それが仮に「全然ゴミじゃん」ってものでも、お返ししなければいけないと、強迫観念にかられます。
初回限定のスペシャルオファーを考えられないでしょうか?例えば美容室であれば初回30%引きなど、ざらにありますよね?初回のみのスペシャルなオファーを考えてください。
ありきたりな感じだと、、、
- 通常宿泊料:¥24,000/泊のところ、初回のみ¥9,800/泊
このくらいはやった方がきっと上手くいく、、、
- 通常宿泊料:¥24,000/泊のところ、初回のみ¥2,400/泊。しかも気に入らなければ全額返金。
再販前提なので、このフェーズはとにかく関心を寄せるだけでOK。
原価と関連する必要経費を足してツーペイ程度まで初回オファーの価格を下げてみましょう。思い切って返金保証まで付けます。
フェーズ③成約
興味を持ってくれた見込客を顧客に変えるフェーズ。スペシャルなオファーを媒体でどうやって売り込むか。ランディングページ(LP)です。
アフィリエイトサイトでモチベーションを高めてもらってから送客してもらうんで、LPの成約率は割と高くなると思います。良いLPを作って打ち落としましょう。プログラマブルに予約が埋まった日を表示できるパーツみたいなのを組み込めると効率的かも。Lancersのプログラマーにお願いするのもアリです。
ちなみにLPを作るならLeadpagesが簡単です。
フェーズ④関係構築
はがき、電話、メルマガ、SNS、アプリなんでもいいんですが、お客さんとこまめに接触できるツールは必須です。このツールがあれば何度も再販を促せるからです。「明日の予約埋まらないな、、、」って時にメルマガを1本発行すれば、すぐに予約が埋まる。理想的ですよね。普段から良いサービスを提供できていれば、実現できます。メールが最も現実的な選択肢でしょう。
フェーズ⑤信者
ファネルの最下層で属性が絞られた濃いお客だけが残っています。この人達は何度も購入してくる上得意です。その人たちにしか購入できない特別なサービスを提供しましょう。客単価(LTV)が一気に上がるはずです。一例ですが会員制サービスとかアリです。
新規顧客獲得には思い切って大胆なコストを使う。そしてスペシャルなオファーで関心を寄せる。行動するしかないLPで打ち落とす。そして最高のサービスを提供する。その後メルマガで接触して、何度も最高の体験を売り込む。すると大量のお金を落とす信者がたくさん集まる。このシステムを作り上げることです。
ちなみにファネルを考える時はテンプレがあると効率的です。以下のバナーから無料でダウンロードできます。

ファネル設計してないの、、、?
マーケティングの全体像を設計していないのに個々のキャンペーンを走らせるのはやめてください。設計図(ファネル)を入手して今すぐ全体像を作り上げましょう。メールアドレスを入力するだけで無料で手に入ります。
魅力的なオファーについて
オファーとはお客がお金を支払う代わりに得る価値のことです。具体的には商品やサービス+取引条件(ボーナス、保証等)です。
フロントエンド商品はお客さんに最初に売る商品です。バックエンド商品とは、既存客にのみ売るリッチな商品です。非顧客がバックエンドの存在に気付かないことを既存客にほのめかすことで、プレミアム的な位置付けにする商品で、ダイレクトレスポンスマーケティングでは、ここで利益を出すのが通例です。一般的にフロントエンドの商品の方が検討や開発、材料費が高くつきます。その割に安い価格でお得感を出してオファーするのがポイントになるので、利益はほとんどでません。新規顧客獲得のためのコストとして考えるのが正しいです。
商品やサービスを考える上でのポイントは3つです。
- USP(ユニークセリングプロポジション)=競合ではなく、あなたにお金を支払う理由を明確にする
- UX(ユーザエクスペリエンス)=顧客が受ける体験を設計する
- お得感
USP
お客が競合ではなく、あなたになぜお金を支払うのか、その理由を明確にします。例えば、ピザーラは30分以内にピザを届けられなければ。料金はいただかないと宣言しています。あなたのホテルの近くにある競合ホテルが提供していないことで、お客が飛びつくような宣言を何かできないでしょうか?例えば、「お支払いは30日後で構いません。我々のサービスが気に入らなければ、カスタマーサポートのフリーダイヤルにお伝えください。料金を請求しません。」こんな感じです。
UX
WeWorkというコワーキングスペースは部屋の中で利用者が溜まりやすい位置をカメラを使ってデータ化し、最適な作業環境を設計します。働いている側からすると、次これをやろうと、考えた時に必要なものが目の前に揃うイメージです。これがUX。顧客に最高の体験を提供するんです。ディズニーランドがわかりやすい例ですね。あるスタッフは掃除をしているホウキで地面にミッキーの絵を書きます。別のスタッフは掃除スタッフのフリをしてパフォーマンスを始めます。ディズニーランドでしか味わえない経験を次から次へと畳み掛けて提供してきます。ディズニーに行くと財布の紐が緩みますよね?その原因がこれなんです。ホテルの運営もこの思想を取り入れるべきですね。むしろここが肝でしょう。既存のスタッフの特性を検討し、顧客へ提供できる価値を考えましょう。Amazonに買収されたZapposという靴屋さんがあります。この企業がかなりヒントになります。

画像引用:Zappos.dom
お得感
人が購買活動をする時に頭の中でどういった計算がされているかというと、認識する商品の価値(絶対価値)を販売しようとしている商品が上回った時に購買が行われるんです。例えば、1,980円で販売している宝石と普段は24,000円で売られているけど、その日だけ1,980円という価格の宝石なら後者の方が売れるのはわかりやすい例です。お得感を出す方法は値段を下げる以外にもあります。例えば、特典です。インフォマーシャルのように包丁を買ったら果物ナイフも付けます的なオファーのことです。フロントエンドでは、ここが重要です。どういったオファーを提供できるか考えましょう。原価と関連する経費を計算し、ツーペイになる程度まで価格を下げれば、かなりの新規客が流入するでしょう。そこで最高のUXを提供できればリピートを促せますよね。
マーケティングオファーを考える時に以下のリソースが役立ちますよ。

マーケティングオファーの辞典
「こんなの今まで見たことない!!」
結構そう言われますよコレ。だって世界中のオファーを集めた本なんてなかったんですから。それがなんとメールアドレスを入力するだけでプレゼントとは。
ファーストステップとしてファネルを作ってみましょう。次にフロントエンドのオファーを考えてみてください。このあたりの設計ができると、実行フェーズ(実際にホテルを運営していく時)でどこが問題になっていて、どのような対策をしたらいいかが、わかってきます。
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