
ブログのマネタイズ方法は次の2つが主流です。
- 広告を掲載して出稿料を得る(トラフィック重視)
- 商品販売の代行でマージンを得る(コンバージョン重視)
現状は誰かが作った商品やサービスを宣伝する媒体にすることがほとんどのブロガーのマネタイズ方法になっていると思います。
上記2つのマネタイズを理解するために事業主視点で広告を出すことを考えてみましょう。
サマリー
9800円のパンツをオンラインで売ろうとしているアパレルメーカー
アパレルメーカーは製造原価の「3掛」とか、「5掛」を上代にすると聞いたことがあります。例えばパンツを販売するとして、その製造原価が2000円。上代を9800円とします。1着売れる毎に7800円の粗利です。この7800円は税金とか、販管費として割り当てられて、残りがマーケティングに使える費用となります。仮にその費用を3000円としましょう。
マーケティング費用の大半はファネルの前半に突っ込まれる
ターゲットとなる見込み客が商品やサービスを認知してから、興味を持って、比較検討し、購買に至るまでには企業は様々な施策をすることになります。ですがほとんどのリソースはファネルの前半部分(興味や関心を引く部分)に比重が掛かってくると思います。なぜならそれだけ前半部分というのはお金もしくは時間が必要になるからです。先程のマーケティング費用3000円の内1500〜2500円はそうなるのではないかと思います。
ではファネル前半部分ではどういった施策が考えられるでしょうか?
認知拡大では以下の方法が考えられます。
- ディスプレー広告
- SNS広告
- ATL(マス)
- 口コミ(グロースハック的な要素)
- トラフィックを持つマーケットプレイスの利用(Amazonなど)
次に興味や関心を引く方法として、、、
- リターゲィング広告
- 比較サイト(アフィリエイト)
が考えられます。
これ以外にも個人IDを取得してナーチャリングする方法もあるけど、大枠としては上記かなと。それぞれまとまった広告費なり、手数料なりが必要になるわけです。
では、それらの引かれる費用はどこに行くのでしょう?それがブロガーやアフィリエイターのような媒体運営者です。
バナー広告を出すケース
レスポンスの計測が重要視され、それが簡単にできるインターネット広告が現在では広告の主流です。Google広告のネットワークに入っている媒体にプログラマティックにバナーを表示させるディスプレー広告やブログ記事として商品を宣伝してもらう記事広告。掲載先を広告主がコントロールできる位置固定のバナー広告(純広告)と、いくつか種類があります。
純広告を依頼するケースで考えましょう。純広告は古典的な手法なので昨今はあまり利用されない広告ですが、ブランドセーフティの観点では掲載先をコントロールできるので、アパレルや自動車メーカーなどBtoCビジネスでは好まれます。
ディスプレー広告は認知フェーズを担うことが多いのでROASの計算が難しいんですが、強引に計算してみます。
滅茶苦茶な設定ですが気にしないでください。月契約でキービジュアルの近くにバナーを置かせてもらいます。この媒体は月に200万PV前後で掲載料金は月20万円です。パンツはLPへのリンクでワンステップで売り、LPへのCTRを1%。LPのCVを0.1%と仮定します。すると月にだいたい20本前後売れる計算になります。
上記の仮定で言うと、ROASは、
¥196000(この媒体関連の売上)÷¥200000(この媒体の出稿先料)=98%
となります。
ダイレクトレスポンスマーケティングであれば元は取れていないという評価ですが、認知からSEA(検索キーワードを自ら打ち込む)でLPへ流入することもあるだろうし、時間差も考えられるから、それを踏まえると良質な媒体と判断できます。
でも成約を保証してくれるわけではないところがポイントです。ある時は100本売れるかもしれませんが、別のある時は5本しか売れないかもしれない。それでも月に20万円支払う必要があるわけです。
ここでブロガー目線に切り替わります。
読者の属性を絞れば、絞るほど広告枠としては価値が上がりますが、トラフィックが出づらくなります。逆に雑多ブログに逃げれば属性は拡散しますが、ネタが切れないという意味では、それなりにトラフィックが出るでしょう。多くのブロガーはトラフィックを出しつつ、属性を絞ることができません。この点を理解している戦略的なブロガー以外はお小遣い程度しかマネタイズできていないのが現状です。
アフィリエイターを使うケース
次はアフィリエイターを使って、パンツを販売するケースを考えてみます。ブログマネタイズ手法の2つ目「商品販売の代行でマージンを得る(コンバージョン重視)」です。
一般的に個人のアフィリエイターには成約に対してのコミッションを支払うので、設計をミスらなければROASは100を越えます(ただし、比較サイトやASPはコミッションでないことがほとんど)。広告主としてはメリットが大きいと思うかもしれませんが、デメリットもあります。契約の性質上、カスタマーサポートはメーカーが請け負うことになるので、強引なセールスで商品を売ったアフィリエイターがいた場合のトラブル対応はメーカーサイドで処理することになります。よってカスタマーサポートの費用が嵩みます。
先程のアパレルメーカーの事例をアフィリエイター目線で考えてみます。前提としてカスタマーサポートのコストを1着1500円で勘案して、残りの1500円はアフィリエイターに支払っても良い費用とします。
一着売るごとに1500円の配当を得ますが、9800円のパンツをブログで販売することは簡単ではないです(インフルエンサーのブログとか、アパレルECでない限り、、、)。せいぜい成約率は0.01%前後でしょう。月に30万前後のトラフィックを持つ媒体だったとしても、売れるのはせいぜい30本。収入としては45000円前後かと思います。
さて。ここまでブログの代表的なマネタイズ(広告の種類)とそれによって媒体運営者が手にする収入を事業サイドとブロガーやアフィリエイターサイドを行ったり来たりして理解していただきました。
頑張って作った媒体から生まれるのは月に僅か数万円です。果たしてそれは満足のいくものになっているのでしょうか?多分みなさんは不満なはずです。
PVではなくトップライン(売上)を起点にする
少し昔の話。
まだ検索連動型広告のキーワード単価が今よりも低かった時代。良質なアフィリエイト商品を探してきさえすれば、わざわざブログを書かなくても広告を打って収支計算すれば儲けることができました。一種の錬金術です。
必要な事はGoogle広告(当時Adwords)の最適化された設定とテスト済のLPのみ。広告から入ってきたアクセスにワンステップで商品がポンポン売れたんです。やることと言えば、たまに管理画面を見て、設定を調整することぐらい。
ズルいと考えるかはあなた次第ですが、ここから重要なことが学べます。それは手段と目的を混同してはいけないということ。僕はPV数にこだわることをやめてトップライン(売上)に重きを置き、そのためにやるべきことの優先順位を付けたに過ぎません。ブロガーやアフィリエイターはどちらかといえばPV数を気にしますが、それは手段に過ぎないということです。
トップラインを意識する最高に良い方法は自分の商品やサービスを持つことです。
デジタルプロダクトとは何か?
物理商品をつくる場合、材料費や配送コストに加え、在庫リスクや物理的なトラブルも勘案しないといけません。一方でリスクが全くない商品があります。それがデジタルプロダクトです。デジタルプロダクトとはなんでしょうか?いくつか具体例を上げます。
Webサービス、アプリ

サービスを使うことで、人が今よりも便利になったり、お金や時間の節約になったりするプロダクト。お客さんではなくユーザーと呼ぶことが一般的で、インタラクション性(双方向のコミュニケーション)があります。
電子書籍

書籍の電子版。ナレッジを提供するプロダクトです。インタラクション性はありません。
オンラインコース

電子書籍を動的にした、動画や音声形式のコース。ウェビナーのようにリアルタイムで講義にしたり、ディスカッションツールを用いてインタラクション性を出したりと、電子書籍に比べて、情報を深く、立体的に提供できるプロダクトです。
オンラインコンサルティング

スカイプ等を使って、リアルタイムに双方向でお客さんの深い悩みを解決するプロダクトです。
上記を要約すると、「あなたの知識、技術、経験をデジタルで提供できる形式にパッケージし、お客さんが抱える問題を解決する商品」がデジタルプロダクトです。
デジタルプロダクトのリスクは投資時間だけ
材料費は掛からないし、外注しなければ他の変動費も発生しません。僅かな固定費(制作ツールや作業場所など)ぐらいで作れるのがデジタルプロダクトの大きなメリット。
Webやアプリの開発環境は無料で利用できるものが多数あるし、コンテンツを販売するためのサーバですら無料で利用できる時代です。仮に電子書籍やオンラインコースを作りたい場合はGoogleアプリを使えば無料で作れます。
配送コスト、在庫リスクはありません。返金に応じるのも今ではStripeやPaypalのような決済サービスが便利で、ボタン一つで処理が終わります。マーケティングツールですら無料で使えるものが多く、商品開発から販売までお金を一切掛けずに完結することが可能です。
つまりブロガーやアフィリエイターのような体力のないフリーランスでもノーリスクで参入できるビジネスなんです。
デジタルプロダクトで起業リスクを減らす

画像引用元:KAJABI
URL:https://newkajabi.com/
士業で起業された方も専業で食っていくのは大変な世の中です。賢い起業家はフロントエンドやバックエンドにデジタルプロダクトを取り入れてリスクを減らしています。フロントエンドが売れれば次の商品の販売が楽になります。本当に売りたいバックエンドを効率よく売るために使っても良し、売上の嵩ましにするも良しで、何重にもスパイラルアップの布石となります。
「情報商材」と捉えられるか、デジタルプロダクトと捉えられるか
デジタルプロダクトと「情報商材」は何が違うのでしょうか?答えは保証にあります。例えば書籍は情報を売っているにも関わらず「情報商材」とはなりません。それはISBNコード(書籍をユニークに管理するコード)があるからです。このコードを取得し、取次店経由で販売している安心感という保証があるのが「情報商材」のポジションとを分けています。「情報商材」はどうでしょう?出版は自由です。取次店も不要です。ここに保証はありませんし、結果をコミットしていません。
ではデジタルプロダクトは?
返金保証やサポートといった形で保証を提供します。巷に言われる「情報商材」はシステムを利用しない人がほとんどで、十分なフォローアップを提供できていません。仮に保証等があってもアナログ。安心感など微塵の欠片もありません。一方でデジタルプロダクトはコンテンツをシステム上で管理・運用します。専用のインターフェースで顧客は利用しやすく、内容が気に入らなければ、システム上で返金依頼ができますし、わからないことがあれば、システム上にあるチャットツールで質問もできます。安心感に雲泥の差があります。
誰にでもデジタルプロダクトは作れる
ゴルフのティーチングプロですら7歳の少年をプロゴルファーにできる確率はそう高くはありません。対照的にソフトウェアの使い方といったことは僅か3ページのPDFを見るだけで上手くなれます。ポイントはスコープ(範囲)にあります。プロにするのは専門家の仕事ですが、特定の課題を解決するような、狭くて深いスコープを守備範囲にすれば誰にでもチャンスがあります。こう考えるとデジタルプロダクトのアイデアは無限に生み出せます。
商品アイデアを得る方法
商品アイデアを得る簡単な方法は、出版物を見ることです。書店を歩いたり、Amazonレビューを見ているだけで、人がどういった情報に関心を寄せているかがわかります。出版社は高い金を払ってリサーチャーを雇い、需要を探します。僕らはそこに相乗りすればいいんです。
「差別化」と「市場がない」は紙一重
このビジネスを始める入門者の多くがジャンル選定でつまづきます。自分なりのポジションを探すことに夢中になり、市場が存在しない商品を作ってしまいます。結果、売れずに撤退という流れがほとんどです。
閃いたアイデアってのは大抵誰かが既に思いついたもので、やったけど上手くいかなかったってオチが大半を占めます。「差別化」という言葉がありますが、これは明らかに需要がある市場の中で、より市場の定義を絞って具体的なターゲットに訴求することを言います。もしもあなたがデジタルプロダクトビジネスを始めたらこの点は注意した方が良いです。
さいごに、、、
もしもあなたがこの記事を見て、デジタルプロダクトに興味を持ってくれたなら、「デジタルプロダクト制作・販売コース」が役に立ちます。参考までに。
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